上田市立博物館は、長野県上田市にある市立の博物館で、上田城跡公園内に位置しています。地域の歴史や文化を知る貴重な施設として、上田城や旧藩、城下町の歴史を深く伝え続けています。
明治維新後、上田城は廃城となり、建物や敷地は民間に売却されました。しかし、地域の有志たちが文化財の保護を志し、1929年(昭和4年)、残存していた旧西櫓に旧藩時代の遺物を展示する「徴古館」を開設しました。
上田城の南櫓と北櫓は一時期、遊郭に移築されていましたが、上田市がこれらを買い戻し、1949年に城内へ再建しました。1953年(昭和28年)には徴古館とあわせて上田市立博物館へと改称され、1959年には西櫓・南櫓・北櫓が長野県宝に指定されました。
1965年(昭和40年)、上田城二の丸に現在の本館(新館)が開館。設計は東京大学教授の太田博太郎によるもので、小県地方の伝統的な養蚕建築をモチーフとした外観が特徴的です。
西櫓は新館開館後に非公開となりましたが、1994年(平成6年)に東虎口櫓門と袖塀が復元され、それに伴い南櫓・北櫓も博物館の一部として公開されるようになりました。これらは2018年から「上田城櫓資料館」として再編されています。
1962年(昭和37年)には、博物館隣接地に山本鼎記念館が開館。山本鼎は大正期の農民美術運動の先駆者であり、記念館では彼の足跡を紹介していました。2014年、サントミューゼ内の上田市立美術館開館に伴い収蔵品が移され、記念館は一度閉館。しかし、2016年1月に建物は博物館の別館として再開館されました。
2016年にはNHK大河ドラマ『真田丸』の放送に合わせ、特別展が開催され、多くの来館者で賑わいました。この年には休館日なしで運営され、閉鎖されていた西櫓も一年間限定で再公開されました。
博物館には、鎌倉時代以降の上田地域に関する歴史資料や民俗資料、自然資料などが収蔵されています。上田城や上田藩に関わる資料は約18,300点にのぼり、さらに近代産業や生活文化に関する資料が約3,000点、自然資料が約1,500点あります。
特に注目すべきは、上田市旧神科村で生産されていた「染屋焼」のコレクションです。江戸中期に常滑焼の技術がもたらされ、実用的で素朴な作風が特徴とされています。染屋焼の中でも、水甕・藍甕・壺・小甕・薬研など、日常生活で使用された器が多数残されており、庶民の暮らしぶりを今に伝えています。
これらの中から66点が、1964年(昭和39年)に国の重要有形民俗文化財に指定されています。
JR北陸新幹線「上田駅」から徒歩約10分。上田市中心部にあり、アクセスも非常に便利です。
上田市立博物館は、歴史・文化・生活の三要素を網羅した学びの場であり、特に真田氏に関する資料や上田の地域産業に関心のある方には見逃せないスポットです。上田城跡公園内にあるため、観光の合間に立ち寄るにも最適な施設となっています。