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小山敬三美術館

(こやま けいぞう びじゅつかん)

洋画家の情熱が息づく美術館

長野県小諸市の風光明媚な懐古園内に位置する小諸市立小山敬三美術館は、昭和を代表する洋画家、小山敬三(こやま けいぞう)の功績と作品を後世に伝えるために設立された美術館です。美術館の建物は、著名な建築家・村野藤吾氏の設計により1975年に完成し、小山敬三自身が所蔵していた作品とともに小諸市に寄贈されたものです。

美術館の特徴と建築美

この美術館の最大の魅力は、独創的な建築デザインにあります。外観から内観に至るまで、曲線を多用した造りとなっており、特に展示室の湾曲した壁面は、作品と空間が調和し、訪れる人々に深い印象を与えます。さらに、隣接する旧宅兼アトリエも移築され、「小山敬三記念館」として公開されています。この記念館では、画家の生活や創作の場を垣間見ることができ、彼の人となりや芸術観に触れる貴重な空間となっています。

主な展示作品

館内には、小山敬三が生涯をかけて描いた数々の名作が展示されています。以下は代表的な所蔵作品の一部です。

利用案内

開館時間:午前8時30分〜午後5時(最終入館は午後4時30分)
休館日:毎週水曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)、臨時休館あり
入館料:500円(懐古園の入園料および他施設含む)、小山敬三美術館単独での入館は300円
アクセス:しなの鉄道「小諸駅」から徒歩約10分

小山敬三 ― 小諸が生んだ洋画界の巨匠

生い立ちと家系

小山敬三は、1897年(明治30年)に小諸市荒町の豪商の家に生まれました。家系は小諸藩から士分待遇を受けるほどの名家で、兄の小山邦太郎は初代小諸市長や衆議院・参議院議員などを務めた著名な政治家でした。

画家としての歩み

1915年に旧制上田中学校を卒業後、慶應義塾大学に進学。しかし芸術への情熱を捨てきれず、わずか1年で退学し、藤島武二に師事するため川端画学校に入学しました。1920年には文豪・島崎藤村の勧めで渡仏し、パリのアカデミー・コラロッシでシャルル・ゲランに師事。ヨーロッパの芸術に触れながら油彩技法を学びました。

主な経歴と受賞歴

晩年と遺産

小山敬三は、美術の発展に生涯を捧げた画家でした。1987年に神奈川県で亡くなり、従三位を贈られ、銀杯一組と祭粢料が下賜されました。なお、私財を投じて設立した小山敬三美術振興財団では、中堅の洋画家への表彰と技術者の留学奨学制度を支援し、後進の育成にも尽力しました(2006年に解散)。

家族・親族

小山敬三はフランス人女性と結婚しており、当時としては珍しい国際結婚を果たしました。子供はいませんでしたが、政治家の井出一太郎(元官房長官)は兄・小山邦太郎の娘婿にあたり、親族にミュージシャン・デーモン閣下もいます。

小山敬三の作品と収蔵美術館

評価とコレクション

小山敬三の作品は、その緻密な技法と色彩感覚によって高い評価を受けています。特に「浅間山」シリーズや「白鷺城」連作は美術市場でも注目を集め、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』に出品された際には高額な評価がつけられました。

主な収蔵美術館

まとめ ― 芸術と郷土愛が融合した空間

小諸市立小山敬三美術館は、洋画家としての功績のみならず、郷土愛と文化振興への情熱をもって生涯を全うした小山敬三の精神を体現する場です。美術館の建築、展示作品、アトリエなどを通じて、来館者はただ絵を鑑賞するだけでなく、ひとりの芸術家の生涯と信念に触れることができます。小諸を訪れる際は、ぜひ立ち寄りたい文化スポットのひとつです。

Information

名称
小山敬三美術館
(こやま けいぞう びじゅつかん)

上田・小諸・佐久

長野県