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武石ともしび博物館

(たけし ともしび はくぶつかん)

灯火の歴史と文化を伝えるユニークな博物館

武石ともしび博物館は、長野県上田市に位置する灯火文化に特化した珍しい博物館です。行灯や燭台、ランプといったさまざまな灯火器具を収集・展示し、火のある暮らしがもたらしてきた文化や歴史を多角的に伝えています。古くから人々の生活に欠かせなかった「火」や「灯り」の営みを、来館者が五感で学び、体験できる貴重な施設です。

博物館の概要と構成

武石ともしび博物館は、単一の建物ではなく、複数の施設から成る複合的な構成を持っています。展示館・伝承館・茶室「煌庵」・体験館の4つの主要な施設から構成されており、それぞれ異なる視点から「火」の文化を紹介しています。また、美しい日本庭園も整備されており、来館者がゆったりとした時間を過ごせる空間となっています。

展示館:灯火器具と関連資料の展示

展示館では、行灯や燭台、ランプなどの灯火器具をはじめ、火に関する書籍や版画などの資料を約1200点以上所蔵しています。展示は、燃料の種類(油・蝋・ガスなど)や用途(家庭用・商業用・宗教用など)によって分類されており、各展示には解説動画が用意されています。視覚だけでなく、映像を通じて理解を深める工夫が凝らされています。

伝承館:火と暮らしの関わりを学ぶ

伝承館は、江戸時代の農家や商家を模した建物で、実際の生活空間に灯火器具を配置して展示しています。来館者は当時の生活風景を想像しながら、火がどのように用いられていたかを学ぶことができます。特に、18分間の解説映像では、生活や年中行事における火の重要性について、分かりやすく紹介されています。

茶室「煌庵」:灯火と茶の融合空間

茶室「煌庵」は、茶道と灯火の関係性をテーマに設けられた空間です。柔らかい灯りの中で行われる茶会や茶道教室は、日常とは異なる静寂と緊張のひとときを来館者に提供します。灯火の揺らぎが生み出す陰影は、茶道の「わび・さび」の世界をより深く味わうための重要な要素であり、この空間ならではの体験が可能です。

体験館:火起こしと灯りづくりの実践

体験館では、火を「起こす」ことの難しさと尊さを、実際に体を動かして体感できます。マイギリ式や火打石式による火起こし体験、ろうそく作り、灯火器具の組み立てキットを使った作業など、年齢を問わず楽しめるメニューが揃っています。特に、親子連れや教育旅行のグループには人気の施設です。

歴史と開館の背景

武石ともしび博物館は、長野県小県郡武石村村制施行100周年を迎えたことを記念し、1989年(平成元年)11月3日に開館しました。灯火器具というニッチなテーマながらも、人間の生活文化に深く根ざした分野を扱う博物館として、開館以来多くの人々に親しまれています。

その後、武石村は平成の大合併により、2006年(平成18年)に丸子町・真田町と共に上田市へと統合されました。現在の博物館は上田市教育委員会の管轄のもとで運営され、地域文化資源のひとつとして重要な役割を担っています。

交通アクセス

公共交通機関でのアクセス

JR東日本・しなの鉄道・上田電鉄の「上田駅」から千曲バスの「武石線」に乗車し、約60分。その後、「下武石」バス停から徒歩で約10分の場所に位置しています。交通機関を利用する場合、時刻表の確認が必須です。

自家用車でのアクセス

上信越自動車道・東部湯の丸インターチェンジから約18キロメートル(約30分)の距離にあり、比較的アクセスしやすい立地です。施設には普通車30台、大型バス5台分の駐車スペースが用意されており、休息所や公衆トイレも完備されているため、ドライブの途中での立ち寄りにも最適です。

日本庭園と周辺環境

館内には、手入れの行き届いた日本庭園が整備されており、四季折々の美しさを楽しむことができます。訪れた際には、展示を見るだけでなく、庭園の散策や周囲の自然を楽しみながら、心身ともに癒されるひとときを過ごすことができるでしょう。

まとめ

武石ともしび博物館は、「灯り」を通じて人々の暮らしや文化を再発見できる貴重な施設です。展示や映像による学習だけでなく、体験活動を通じて五感で感じることのできる博物館は、老若男女問わず楽しめる場となっています。現代の便利な照明とは異なる、自然の灯りのぬくもりや美しさをあらためて見つめ直す機会として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
武石ともしび博物館
(たけし ともしび はくぶつかん)

上田・小諸・佐久

長野県