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尾澤木彫美術館

(おざわ もくちょう びじゅつかん)

木のぬくもりと芸術が息づく木彫専門の美術館

尾澤木彫美術館は、長野県上田市に位置する、全国でも数少ない木彫専門の美術館です。この美術館は、長野県で発展した「農民美術運動」の先駆者である工芸家・彫刻家尾澤千春氏と、その息子である尾澤敏春氏による作品を中心に、木彫の魅力を存分に伝える文化施設です。

展示内容とその魅力

1500点以上の木彫作品と世界の木彫人形

館内には、尾澤千春・敏春両氏が手がけた木彫作品が1500点以上収蔵・展示されており、その多くが飾額や飾鉢といった装飾品です。また、実用品としての木彫作品も多く、箱類、盆、菓子器など、生活に密着した美術工芸品の数々が並びます。

さらに、世界各国から集められた木彫人形が約1200点展示されており、日本国内だけでなく海外の木彫文化も紹介されている点がこの美術館の大きな特色です。

洋館へと生まれ変わった古民家

尾澤木彫美術館の建物は、もともと新潟県の豪雪地帯にあった寄棟中門造の古い民家を移築したものです。元は茅葺屋根でしたが、移築にあたりオレンジ色の瓦屋根を持つ三角屋根の洋館風建築として再生され、伝統とモダンが融合した独特の趣を醸し出しています。

尾澤千春 ― 農民美術運動を支えた職人魂

生涯と創作活動

尾澤千春(おざわ ちはる)は、1915年に長野県小県郡神川村(現在の上田市)で生まれました。神川実業補習学校を卒業後、「農民美術運動」の創始者である山本鼎の一番弟子として知られる初代中村實に師事し、木彫や工芸の技術を学びました。

戦後の混乱期には仲間たちとともにオルゴールの装飾ケース、ブローチ、ハンドバッグなどを手掛け、地元の特産展では師の中村實と共に力作を発表し、広く評価されました。

木彫館と美術館の創設

1975年、尾澤千春は上田市に「木彫館」を設立。その後1989年には、より多くの人に木彫芸術を伝えるために「尾澤木彫美術館」を開館しました。現在もこの美術館は、彼の情熱と技術を受け継ぎ、木の芸術の魅力を発信し続けています。

尾澤姓の表記について

尾澤千春の姓は旧字体の「尾澤」ですが、戦後に当用漢字が制定されたことにより、簡易表記の「尾沢」が使われることもあります。実際、千春本人の著作や資料にも両方の表記が見られますが、美術館では正式名称として「尾澤」の表記を使用しています。

館内の利用案内とアクセス

開館時間
アクセス方法

木の温もりと芸術の融合 ― 尾澤木彫美術館を訪れて

尾澤木彫美術館は、ただの展示施設ではなく、木の温もりを感じることのできる心安らぐ空間です。手彫りによる繊細な造形美や、生活の中に芸術を取り入れようとした農民美術の理念に触れることができる貴重な場であり、芸術と文化の発信地として地元住民はもちろん、多くの観光客からも支持を集めています。

上田市を訪れた際には、ぜひこの美術館にも足を運び、木彫の奥深い世界と、尾澤親子の情熱と創造力に触れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
尾澤木彫美術館
(おざわ もくちょう びじゅつかん)

上田・小諸・佐久

長野県