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金台寺(佐久市)

(こんだいじ)

一遍上人ゆかりの時宗の名刹

金台寺は、長野県佐久市に所在する時宗の寺院で、正式には「紫雲山 来迎院 金台寺」と称します。宗派は時宗で、本尊は阿弥陀如来をお祀りしています。

その創建は鎌倉時代後期、弘安2年(1279年)に遡ります。開山は時宗の宗祖である一遍上人で、当時この地を治めていた武将・伴野時直(ときなお)が、上人の教えに帰依し、寺院を建立したと伝えられています。

踊念仏の聖地としての金台寺

一遍上人は諸国を遊行し、民衆に念仏を広めたことで知られていますが、ここ佐久市の金台寺周辺でも、「踊念仏(おどりねんぶつ)」という信仰形態を初めて行ったとされ、その意味でもこの地は時宗発祥の地の一つとされています。

金台寺の山門前には、天明年間(1781~1789年)に建立された石柱があり、そこには「一遍上人初開之道場」と刻まれ、金台寺がこの宗派にとって特別な場所であることを物語っています。

境内の構成と信仰の中心

落ち着いた佇まいの堂宇群

金台寺の境内には、本堂庫裡(くり)山門楼門などの建物が整然と建ち並び、静かで荘厳な雰囲気を醸し出しています。境内の整備はよく行き届いており、歴史の重みを感じさせる佇まいは、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。

日限地蔵尊への信仰

境内には「日限地蔵尊(ひぎりじぞうそん)」も祀られています。この地蔵尊は、「○日までに願いが叶うように」と祈願する、日限りの信仰に基づくもので、地域の人々からは厚い信仰を集めています。

貴重な文化財の宝庫

国指定重要文化財

金台寺には、国の重要文化財に指定された貴重な品々が所蔵されています。いずれも現在は東京国立博物館に寄託されており、厳重に保管されています。

紙本著色 一遍上人絵伝 巻第二

この絵巻は、宝暦7年(1757年)に、時宗の総本山である神奈川県藤沢市の清浄光寺(通称:遊行寺)から金台寺に贈られたものです。鎌倉時代に描かれた原本の模写とされ、一遍上人がこの佐久の地で踊念仏を行う様子が生き生きと描かれています。残念ながら、原本は明治44年(1911年)の火災で焼失しており、この絵巻は貴重な史料として高く評価されています。

他阿上人自筆仮名消息

もう一つの重要文化財は、他阿上人が、善光寺妻戸衆の始祖である証阿弥陀に宛てた手紙です。内容の中には、戦乱の中で同士討ちとなり斬首刑にされた武士に、念仏を唱えた逸話が記されており、時宗の慈悲と救済の精神を今に伝える貴重な文書です。

佐久市指定文化財

鉦(鉦鼓)

また、金台寺に伝わる「鉦(しょう)」も、佐久市の指定文化財として登録されています。鉦は仏教儀式で打ち鳴らす仏具で、念仏を唱える際にも用いられました。この鉦は金台寺の歴史と信仰を今に伝える重要な文化財の一つです。

金台寺の魅力とアクセス

静寂と歴史が息づく場所

金台寺は、華やかさよりも深い歴史と精神性を感じさせる寺院です。佐久の自然に囲まれ、訪れる者を静かに迎えるその姿は、まさに時宗の教えに通じる「無常観」や「念仏のこころ」を体感できる貴重な場所といえるでしょう。

アクセス情報

金台寺へのアクセスは、JR小海線「臼田駅」や「佐久平駅」からタクシーや車を利用するのが便利です。周辺には他にも歴史的な名所が点在しているため、佐久の歴史探訪の拠点としてもおすすめです。

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金台寺(佐久市)
(こんだいじ)

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