佐久ホテルは、長野県佐久市岩村田に位置する、歴史と格式を誇る宿泊施設です。温泉宿としての魅力と、ビジネスや観光にも対応したホテル機能を兼ね備えています。その創業は、室町時代の正長元年(1428年)にまでさかのぼり、長野県内で最も古い老舗として知られています。
創業は室町時代、正長元年(1428年)。当時、望月城主・望月河内守がこの地に宿泊と食事を提供する施設を設けたことが始まりとされています。その後、佐久ホテルのある場所は時代の流れの中で多くの歴史人に利用され、特に戦国時代には武田信玄がこの宿を訪れ、入浴したとの記録も残されています。
江戸時代には、佐久地域の行政機関である陣屋の近くに位置し、割元・名主・公事宿として、地域の要所としての機能も担ってきました。幕末の動乱期には、蒸気船事業に出資するなど挑戦的な事業展開を試みましたが、鉄道の普及により事業は失敗。結果的に、現代の価値で約60億円相当の損失を被ったとされます。
この経験をもとに、以降は冒険的な事業や相場、賭博には手を出さないという家訓が設けられ、慎重な経営姿勢が続けられるようになりました。その歴史の中で、足利将軍家から贈られた感謝状など、貴重な歴史的資料も所蔵しています。
時代が進み、現在の第19代目当主は、これまで表には出してこなかった歴史や伝統を積極的に発信する方針へと転換。古くから伝わる鯉料理の再評価、廃れていた温泉の復活、そしてインターネットやSNSを活用した情報発信など、伝統と革新を融合させた新たな宿の魅力づくりに取り組んでいます。
佐久ホテルは以下の団体に登録・加盟しています。
佐久ホテルの料理の目玉は、地元・佐久地域で養殖される佐久鯉を使用した「鯉こく」です。味噌仕立ての特製タレで約3時間煮込むことで、骨まで柔らかく仕上げられており、その深い旨味は多くの来館者に感動を与えています。タレは江戸時代中期から継ぎ足しで受け継がれているという、まさに伝統の味です。
また、地元産のよもぎを使った自家製焼酎も提供しており、料理との相性も抜群。長い歴史を感じさせる逸品を、ぜひお楽しみください。
佐久ホテルは、600年の歴史と伝統を誇る、長野県を代表する老舗宿です。歴史的価値と温泉の癒し、地元の味覚、そして心のこもったおもてなしが訪れる人々を温かく迎えてくれます。佐久市や信州方面への旅行をお考えの方は、ぜひ一度この格式ある宿で、時を超えた旅のひとときをお過ごしになってはいかがでしょうか。