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KAITA EPITAPH 残照館

(カイタ エピタフ ざんしょうかん)

上田市に佇む芸術と追憶の美術館

KAITA EPITAPH 残照館は、長野県上田市前山に位置する美術館です。かつてこの地に存在していた「信濃デッサン館」の精神とコレクションを継承し、新たなかたちで芸術の息吹を今に伝える場として、2020年(令和2年)に開館しました。

美術館の歩み

信濃デッサン館の設立と発展

1979年(昭和54年)、作家であり美術評論家でもある窪島誠一郎氏によって、「信濃デッサン館」が設立されました。窪島氏が長年にわたり情熱を注いで収集した、夭折の芸術家たちの貴重な作品群がこの館に集められ、多くの来館者に静かで深い感動を与えてきました。

そのコレクションには、村山槐多の代表作「尿する裸僧」(1915年)をはじめ、関根正二野田英夫戸張孤雁靉光松本俊介小熊秀雄といった夭折の画家たちの作品が約1000点以上収蔵されていました。

また、館内には喫茶室も併設され、訪れる人々が芸術と向き合うひとときを穏やかに過ごせる空間が整えられていました。

無言館の開館と信濃デッサン館の休館

1997年(平成9年)には、信濃デッサン館の分館として戦没画学生慰霊美術館「無言館」が開館し、戦争によって命を落とした若き画学生たちの遺作や思いを伝える貴重な場所となりました。

しかし2015年(平成27年)末、窪島館主の体調不良と来館者の減少に伴う財政的な困難により、2つの館の運営を続けることは難しいと判断されました。その結果、「無言館」は存続される一方で、信濃デッサン館本館および別館「槐多庵」2018年(平成30年)3月15日をもって「無期限休館」となりました。

その後、来館者や美術関係者の声を受けて、同年夏には期間限定で「特別開館」が実施されましたが、美術館単独での活動再開は困難であるとされ、コレクションの取り扱いも未定とされていました。

KAITA EPITAPH 残照館の誕生

再出発と館名に込められた想い

信濃デッサン館閉館後、失われたコレクションへの喪失感に苦しむ中、窪島氏は病床であらためて芸術と向き合う意志を強くし、「KAITA EPITAPH 残照館」として新たな美術館を開館する決意を固めました。

館名の「KAITA」は夭折の天才画家・村山槐多への深い敬意を込めたもの、そして「EPITAPH(墓碑銘)」と「残照」は、芸術家たちの魂の余韻と、それを伝え続ける使命を表しています。

こうして、2020年6月6日、静かな山間に芸術の光を再び灯す美術館として「KAITA EPITAPH 残照館」は新たな一歩を踏み出しました。

美術館の基本情報

運営団体

一般財団法人戦没画学生慰霊美術館無言館が運営母体となっています(法人番号:8100005004887)。

開館日および時間

収蔵および展示作品

収蔵作家と作品

館内には以下のような画家たちの作品が所蔵・展示されています(一部は買い戻し予定、または展示予定)。

展示作品の一例

関連施設

無言館

長野県上田市古安曽にある「戦没画学生慰霊美術館 無言館」は、信濃デッサン館の精神を継ぐ施設であり、現在も活動を続けています。

槐多庵(かいたあん)

信濃デッサン館の別館として建てられた「槐多庵」は、現在は無期限休館中です。

最後に

KAITA EPITAPH 残照館は、ただの美術館ではなく、短くも燃え上がるように生きた芸術家たちの想いを伝える「記憶の場所」です。その一つひとつの作品は、過去と現在、そして未来を結ぶ静かで力強い声を私たちに届けてくれます。上田市を訪れる際には、ぜひこの美術館に足を運び、心の深い部分に触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
KAITA EPITAPH 残照館
(カイタ エピタフ ざんしょうかん)

上田・小諸・佐久

長野県