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須川湖(長野県)

(すがわこ)

自然と歴史が調和する静寂の湖

須川湖は、長野県上田市大字諏訪形字須川に位置する、豊かな自然に囲まれた静かな湖です。上田市中心市街地から長野県道186号上田塩川線を南東へ進むと、山中に広がるこの湖にたどり着きます。標高約700メートルの小牧山の山腹にあり、面積は約10万平方メートル、周囲長は約3キロメートル、最大水深は4.6メートルに達します。

周囲にはカラマツ林が広がり、四季折々に美しい風景を見せてくれます。植物の種類も豊富で、生態系の多様性が感じられる自然環境となっています。また、北側の山には源義仲(木曾義仲)が築いたとされる城跡があり、歴史的な背景もこの地に趣を加えています。

歴史的背景と人々との関わり

農業用水としての活用

もともとは北・東・南の三方を山に囲まれた小さな沼でしたが、1654年(承応3年)から1657年(明暦3年)にかけて、農業用水を確保する目的で西側に土砂(粘土)を盛り立てて整備され、現在の形のため池が完成しました。この工事は、上田藩を治めていた仙石氏の時代に行われたもので、以来、地域の人々の自給自足の生活を支える重要な水源として活用されてきました。

冬の風物詩・スケートリンクとしての利用

湖は冬になると全面が結氷し、天然のスケートリンクとして利用されるようになりました。特に1953年(昭和28年)には、須川湖で第21回全日本スピードスケート選手権大会が開催され、全国的にその名が知られることとなります。以降、オール信州スケート大会上田市民スケート大会も開催され、子どもたちのスケート教室としても活用されてきました。

しかし、結氷期間が限られていたことや、人工スケートリンクの登場、さらに温暖化の影響により徐々にその役割は薄れ、1975年(昭和50年)ごろにはスケートリンクとしての利用が終了しました。

夏のレジャーと観光開発

スケートリンクとしての役割が終わった後は、釣りやボートなどの夏季レジャーが注目され、観光地として新たな魅力を発揮し始めました。周辺にはモーテル、別荘、テニスコート、ゴルフ場などの施設が整備され、現在もリゾートエリアとしての役割を担っています。

自然美と季節の移ろい

秋の須川湖

特にには、周囲のカラマツ林が黄金色に染まり、湖面に映る紅葉の風景が訪れる人々を魅了します。写真愛好家にとっても絶好の被写体となっており、紅葉シーズンには多くの観光客でにぎわいます。

須川湖に伝わる不思議な伝説

鐘の伝承

須川湖には、古くからの言い伝えが残されています。そのひとつに、「信濃国分寺の鐘が湖底に沈んでいる」という伝説があります。むかし、盗賊が国分寺から鐘を盗み、須川湖付近で休んでいると、その鐘が「国分寺恋しや」と自ら動き出し、湖に落ちてしまったのです。

その後、湖の主である竜がこの鐘の化身となり、湖で溺れそうになったときには「国分寺へ行く」と唱えれば命を助けられる、という言い伝えが生まれました。さらに、どれだけ日照りが続いても湖の水が干上がらないとも言われており、水位が下がって鐘の竜頭が顔を出すと、雲を呼んで雨を降らせると信じられてきました。

ヒシの実と「かねつき」

湖に自生しているヒシの実も、地元では「かねつき」と呼ばれていたとの記録があり、この地における人々の生活と信仰が深く結びついていることがうかがえます。

現代における須川湖の魅力

現在の須川湖は、釣り、ボート遊び、森林浴など、さまざまなアウトドアレジャーを楽しむ場所として多くの人々に親しまれています。都市部からのアクセスも比較的よく、日帰りの観光地としても人気があります。

また、湖を囲む自然環境は子どもたちの自然体験学習の場としても最適であり、教育的価値の高い観光スポットとしても注目されています。

まとめ

須川湖は、その穏やかな水面と自然環境、さらには古くからの歴史と伝承をあわせ持つ、長野県上田市の誇る名所です。四季折々の美しさとともに、かつてスケート大会で賑わった記憶や、信仰に彩られた伝説など、歴史と自然が織り成す魅力にあふれています。静かで心安らぐひとときを過ごしたい方には、ぜひ訪れていただきたい観光地です。

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名称
須川湖(長野県)
(すがわこ)

上田・小諸・佐久

長野県