志賀高原は、長野県下高井郡山ノ内町とその周辺一帯に広がる高原で、上信越高原国立公園の一部を成しています。この地域は標高1000メートルを超える高地に位置し、夏は涼しく、冬は雪に覆われることから、避暑地・スキーリゾートとして高い人気を誇ります。
「志賀高原」という名称は、長野電鉄の創設者・神津藤平氏が、志賀山の麓周辺にある平坦地や丘陵地(大沼池、丸池、蓮池、琵琶池、木戸池周辺)をそう呼び、スキー場などの開発を行ったことに始まります。その後、横手山や一の瀬エリアまで広がり、現在では多くの山岳・湖沼・スキー場・温泉地を含む広大なリゾートエリアとして知られています。
環境省が指定する「志賀高原地域」は、約24,986ヘクタールにおよび、その範囲は西の志賀草津道路から、北は木島平村・野沢温泉村・栄村、東は中津川(魚野川)、南は群馬県境に及びます。うち、宿泊施設やスキー場を含む「集団施設地区」は2,547.5ヘクタールに設定されています。
さらに志賀高原は、ユネスコのエコパーク(生物圏保存地域)にも指定されています。志賀山や大沼池などの中心部691ヘクタールが核心地域、周囲の17,569ヘクタールが緩衝地域とされ、これに移行地域を加えると総面積は30,281ヘクタールにも達します。生態系保全と持続可能な観光が調和する貴重な地域です。
志賀高原は亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属し、標高が高いため、夏でも30度を超えることはまれで、熱帯夜もほとんどありません。涼しく過ごしやすいため、夏の避暑地として人気です。
冬には10月中旬から下旬に初雪が観測され、11月には本格的な積雪期に入ります。渋峠(標高2,100m超)では年間4メートル以上の積雪となる年もあり、スキーヤーにとっては絶好のコンディションが整います。
志賀高原は、志賀山(2,035.7m)を中心に鉢山、笠ヶ岳、東館山、横手山などの山々に囲まれています。北東には岩菅山とその最高峰である裏岩菅山、北には焼額山や毛無山、鳥甲山まで続く稜線が広がり、変化に富んだダイナミックな地形が特徴です。
志賀山の火山活動により、周囲の谷が埋まり、幕岩や潤満滝、鳴洞滝といった絶景が形成されました。また、カルデラ地形が池や湿原を生み出し、自然の宝庫となっています。
降雪の影響により、岩菅山東斜面にはカール地形が見られ、鳥甲山の急斜面にはアバランチシュートと呼ばれる雪崩による地形が形成されています。これらは冬の厳しさと自然のダイナミズムを感じさせます。
本地域の基盤は第三紀中新世のグリーンタフ(緑色凝灰岩類)であり、その上を高井火山岩類、さらに更新世の噴出物が覆っています。火山活動の歴史が刻まれたこの土地では、溶岩流、柱状節理などの地質学的にも貴重な景観を見ることができます。
今から約20万年前の火山活動により、川が堰き止められて志賀湖と呼ばれる堰止湖が誕生しました。その後の活動で湿地化し、多くの池や沼が点在する高原地帯へと変貌しました。これらの水源は、農業用水や水力発電にも活用されています。
志賀高原はオールシーズン型のリゾートとして、様々な魅力を持っています。
標高の高いエリアには、横手山・熊の湯・一の瀬・高天ヶ原など数多くのスキー場が点在。豊富な積雪と良質なパウダースノーに恵まれ、国内外から多くのスキーヤーが訪れます。
春から秋にかけては、ハイキングや登山が盛んになります。志賀山や岩菅山への登山道は整備され、四十八池湿原ではワタスゲやニッコウキスゲなどの高山植物が美しく咲き誇ります。
志賀高原はその生態系の豊かさから、自然教育のフィールドとしても注目されています。ネイチャーセンターでは動植物に関する展示やガイド付きの自然観察会も開催されています。
志賀高原は、火山と雪、豊かな森と湿原が織りなす日本を代表する自然景勝地</strongです。美しい景観だけでなく、スキー・登山・温泉・自然観察など多彩な楽しみがあり、一年を通して訪れる価値がある場所です。ぜひ、季節ごとに表情を変える志賀高原の魅力を体感してみてください。