一本木公園は、長野県中野市に位置する市民の憩いの場として親しまれている美しい公園です。1984年(昭和59年)に開設され、以来多くの市民や観光客に親しまれてきました。
この公園が特に注目される理由の一つは、850種・3500株を超えるバラが咲き誇るバラ園の存在です。故・黒岩喜久雄氏が自宅で丹精込めて育てていたバラが、市に寄贈されたことをきっかけに、現在のバラ園の基礎が築かれました。そのため、「バラ公園」という愛称でも知られています。
園内にはバラをはじめとして、桜や宿根草など四季を彩るさまざまな花々が植えられており、年間を通して訪れる人々の目を楽しませてくれます。特に5月から6月にかけてのバラの季節には、香り高いバラが一斉に開花し、まさに圧巻の景色が広がります。
一本木公園には花々だけでなく、広々とした芝生エリアや遊具が整備されており、家族連れにとっても理想的なレジャースポットです。野外ステージや多目的広場では、地元のイベントや催しも定期的に開催され、地域とのふれあいも楽しむことができます。
園内には、明治中期の洋風建築である「中野小学校旧校舎」が移築されており、現在は「信州中野銅石版画ミュージアム」として活用されています。昔の教室の様子がそのまま保存されており、ノスタルジックな雰囲気を感じられる貴重な建築物です。
毎年5月下旬から6月中旬にかけて開催される「なかのバラまつり」は、一本木公園の最大のイベントです。1994年(平成6年)に第1回が開催されて以来、多くの来場者を魅了してきました。特に2009年(平成21年)に開催された第16回では、過去最高となる9万人以上の来場者を記録しています。
まつりの期間中は、地元音楽団体による演奏や、バラの苗木や鉢植え、切り花などの販売、さらに中野市産の新鮮な野菜や果物、きのこなども購入することができます。また、一本木公園バラの会の有志によるガイドツアーや、バラの栽培講習会も開催され、花とふれあう知識を深める良い機会となっています。
バラまつり開催期間中は、開催協力金として大人1人500円(団体は400円)の入園料が必要です。この協力金は公園の維持管理やイベント運営に活用されています。
信州中野銅石版画ミュージアムは、一本木公園内にある中野市の文化施設で、1997年(平成9年)に開館しました。正式名称は「一本木公園中野小学校旧校舎・信州中野銅石版画ミュージアム」とされており、一般社団法人一本木公園バラの会が管理・運営を行っています。
館内では、赤川勲氏から寄贈された著名画家の銅石版画をはじめ、中野市出身の彫刻家・菊池一雄氏の作品などを展示しています。芸術を身近に感じられる場として、市民や観光客に親しまれています。
このミュージアムの建物は、1896年(明治29年)に建設された中野尋常小学校西校舎であり、1984年に公園内に移築・復元されたのち、1985年に市の有形文化財に指定されました。明治時代の木造洋風建築の趣を残しつつ、内部は展示に適した空間として整備されています。
信州中野銅石版画ミュージアムは、地域の芸術文化の発信地として、また歴史教育の場としても機能しており、地域住民にとっての心のよりどころとなっています。建物前庭には、中野中学校校歌碑や記念碑、ブロンズ像なども設置されており、訪れる人々に郷土の歴史を感じさせてくれます。