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千曲市

(ちくまし)

千曲川が育んだ自然と歴史が息づくまち

千曲市は、長野県北部の北信地方に位置し、雄大な千曲川の中流域に広がる自然豊かなまちです。2003年に旧・更埴市、戸倉町、上山田町が合併して誕生し、人口約5万7千人を有しています。

市内には古代の古墳から江戸時代の宿場町、歴史ある温泉街まで、多くの歴史的・文化的資産が残されています。一方で、あんずの花や姨捨の棚田、千曲川の流れなど、四季折々の自然景観にも恵まれています。

戸倉上山田温泉と温泉街の風情

100年以上の歴史を持つ温泉地

旧・戸倉町と上山田町にまたがる地域には、千曲市を代表する観光地戸倉上山田温泉があります。

明治時代に開湯した戸倉上山田温泉は、善光寺詣りの帰りに精進落としをする湯治場として発展し、100年以上にわたって多くの人々に親しまれてきました。

良質な温泉に加え、多彩な旅館が建ち並ぶ温泉街には昔ながらの情緒が残されています。観光や街歩きを楽しみながら温泉に浸かり、ゆっくりと過ごせる千曲市を代表する宿泊観光地です。

古代から続く歴史の舞台

信濃国の政治・文化の中心地

千曲市の旧・更埴市一帯は、古代から重要な地域でした。古墳時代には科野国造が置かれていたと推定され、周辺には「埴科古墳群」と呼ばれる古墳群が形成されました。

その中心的な存在が森将軍塚古墳です。有明山に築かれた巨大な前方後円墳で、東日本最大級の規模を誇る古墳として知られています。

平安時代から中世へ続く要衝

平安時代中頃には国府の存在が推測され、鎌倉時代から室町時代にかけては船山守護所が設けられたとされます。こうした歴史からも、千曲市一帯が古くから信濃国の政治や交通において重要な位置を占めていたことがうかがえます。

宿場町として栄えた稲荷山

善光寺街道の重要な宿場

江戸時代になると、千曲市には稲荷山宿が設けられました。善光寺街道最大の宿場町として栄えた稲荷山は、北国街道と北国西街道が交差する交通の要衝でした。

さらに善光寺街道から松代道、いわゆる谷街道が分岐する場所でもあり、人や物資が行き交う商業地として発展しました。

蔵の街として残る歴史的景観

現在の稲荷山には、当時の繁栄を伝える土蔵や歴史的な建築物が残されています。街並みは重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、歴史ある商家や蔵が並ぶ通りを歩きながら、かつての宿場町の雰囲気を感じることができます。

近代になると、千曲市一帯は北信地方を代表する商業都市としても発展しました。現在も長野自動車道と上信越自動車道が接続する更埴ジャンクションがあり、交通の要衝としての役割を担っています。

春を彩る「あんずの里」

森地区に広がる美しい杏の花

千曲市の森地区は「あんずの里」として全国的に知られています。江戸時代に松代藩によって植えられた杏の木が広がり、現在も地域を代表する春の風景となっています。

春になると一帯が淡い色のあんずの花で彩られ、山里の風景と花々が織りなす美しい景観を楽しめます。開花時期には多くの観光客が訪れ、千曲市を代表する季節の観光スポットとなります。

姨捨の棚田と名月の里

日本を代表する月見の景勝地

千曲市を代表する景観のひとつが姨捨です。姨捨周辺には山の斜面に沿って棚田が広がり、田ごとに水が張られる季節には、美しい農村風景をつくり出します。

姨捨の棚田は国の重要文化的景観や名勝に選定されており、「日本の棚田百選」にも選ばれています。また、姨捨は古くから月見の名所として知られ、日本三大名月のひとつに数えられる景勝地です。

文学作品にも登場する冠着山

姨捨山として知られる冠着山は、平安時代から多くの和歌に詠まれてきました。月と山里、棚田が織りなす風景は、日本の原風景を感じさせる美しさがあります。

また、深沢七郎の小説『楢山節考』の舞台ともされるなど、文学との関わりも深い地域です。

姨捨駅から眺める千曲川の風景

山あいに広がる雄大な眺望

姨捨駅は、千曲市を代表する景観スポットのひとつです。高い場所に位置する駅からは、眼下を流れる千曲川や善光寺平を望むことができ、鉄道の駅そのものが観光スポットとなっています。

姨捨駅は日本三大車窓のひとつとして知られ、鉄道ファンだけでなく、雄大な景色を楽しみたい旅行者にも人気があります。

さらに姨捨サービスエリアからも周辺の景色を眺めることができ、夜には美しい夜景を楽しめるスポットとして知られています。

千曲市の歴史・文化を訪ねる

坂井銘醸酒蔵コレクション

坂井銘醸酒蔵コレクションでは、歴史ある酒蔵や主屋などを見ることができます。建物群は国の登録有形文化財となっており、地域の酒造文化と歴史的な建築を同時に楽しめる場所です。

智識寺と歴史的な仏像

智識寺は、千曲市の歴史を伝える寺院のひとつです。本尊として知られる十一面観音像は国の重要文化財に指定されており、地域に受け継がれてきた仏教文化の一端に触れることができます。

庭園や寺院をめぐる散策

このほかにも、見性寺庭園、善光寺大本願別院、長楽寺、大宮神社、観龍寺、長泉寺など、歴史や文化を感じられる寺社が市内各地にあります。

城跡と山城の歴史

荒砥城と城山史跡公園

荒砥城は、千曲市の山城跡を代表する史跡のひとつです。現在は城山史跡公園として整備され、山城の構造を伝える施設や景観を見ることができます。

山の斜面に築かれた城跡からは周辺を見渡すことができ、中世の信濃における山城の役割を感じられます。

市内に残る数多くの城跡

千曲市には、荒砥城のほかにも屋代城、生仁城、入山城、龍王城、鷲尾城、小坂城、佐野山城など、多くの古城跡が残されています。

これらの城跡をたどることで、千曲市が古くから交通や政治の要衝であったことをより深く知ることができます。

神社と寺院をめぐる千曲市

武水別神社

武水別神社は、千曲市を代表する歴史ある神社のひとつです。地域の信仰を集めてきた神社として、歴史散策の目的地にもなっています。

市内にはこのほかにも、長楽寺、大宮神社、観龍寺、長泉寺などの寺社が点在しており、温泉や自然観光と組み合わせて訪ねることができます。

博物館・文化施設

長野県立歴史館

長野県立歴史館では、長野県の歴史や文化について幅広く学ぶことができます。千曲市周辺の古代史や中世の歴史を知る上でも興味深い施設です。

森将軍塚古墳館

森将軍塚古墳館は、森将軍塚古墳について詳しく学べる施設です。古墳の歴史や築造の背景を知った上で現地を訪れることで、古代の千曲市への理解を深めることができます。

さらしなの里歴史資料館

さらしなの里歴史資料館では、地域の歴史や文化に関する資料を通して、千曲市の歩みを知ることができます。

このほか、地域の文化活動や芸術に触れられるアートまちかど、コンサートや文化イベントなどが開催される千曲市更埴文化会館(あんずホール)などもあります。

自然と歴史が交わる千曲川のまち

高原から川まで広がる多彩な景観

千曲市では、千曲川の流れから山間部まで、変化に富んだ自然景観を楽しめます。千曲川展望公園からは周辺の雄大な景色を眺めることができ、聖山高原県立公園では高原ならではの自然に触れられます。

また、さらしなの里展望館では周辺の景色を楽しみながら、地域の食文化に触れることもできます。

歴史・温泉・自然がそろう千曲市

千曲市は、古代の古墳や中世の城跡、江戸時代の宿場町、明治時代から続く温泉など、長い歴史を感じられる観光地です。

一方で、春のあんずの花、姨捨の棚田と名月、千曲川の眺望、山々の自然など、四季折々の美しい景観にも恵まれています。歴史的な街並みを歩いたり、温泉でゆっくり過ごしたり、棚田や高原を訪れたりと、さまざまな旅の楽しみ方ができます。

古代から現代までの歴史と豊かな自然が調和した千曲市。善光寺周辺や長野市、上田市などと組み合わせた観光にも適しており、信州の歴史と風景をじっくり味わいたい人におすすめのまちです。

Information

名称
千曲市
(ちくまし)

長野市・戸隠・小布施

長野県