「こしあぶら」とは、冷涼な峰地に自生し、成長すると20メートルほどになることもある樹木のこと。食材となるのは「こしあぶら」の若芽で、書道で使う筆ほどの大きさのものが「筆葉」といわれる最上級品となるが、高木に芽吹くことと、若芽が成長すると他の樹木との判別が難しいことから、採集は難しいとされる。調理法は和え物やおひたし、天ぷらが主で、噛むと他に類をみない上品な香りが味わえることから「山菜の女王」とも呼ばれている。
旬 4月 5月
春になると(4 - 5月ごろ)、枝の先端から伸びる新芽が現れ、独特の香りを放つものが食用とされ、タラの芽と同じく山菜として収穫されます。暖かい地域では4 - 5月が収穫時期であり、寒冷な地域や高山地帯では6 - 7月ごろまでが適しているとされています。この山菜は、葉がばらばらにならないように、若芽の付け根からハカマごと摘むようにして収穫されます。調理の際には、若芽の根元についているハカマの部分を取り除いて調理されます。
この山菜は強いコクと香りがあり、生のまま天ぷらや茹でて水にさらし、灰汁を抜いた後、おひたしや和え物、バター炒め、煮びたし、卵とじ、煮つけなどさまざまな方法で食べることができます。また、塩漬けにして保存食としても利用されます。若芽は脂肪やタンパク質を豊富に含み、抗酸化作用があるクロロゲン酸も含まれている栄養価の高い食材です。様々な料理に利用されますが、特に天ぷらやかき揚げが最もおいしいとされ、その強い香りとコクはタラの芽をしのぐ評判もあります。市場でも手に入ることがあります。