ジンギスカン街道は、長野県長野市の信州新町地区を走る国道19号線沿いに広がるグルメスポットで、「ひつじの町」として知られる地域ならではの食文化を体験できる場所です。街道沿いには複数のジンギスカン専門店が立ち並び、赤いのぼり旗を目印に訪れる観光客を迎えています。
信州新町のジンギスカンは、一般的な焼肉スタイルとは異なり、あらかじめタレに漬け込んだ羊肉を焼く「漬け込みスタイル」が特徴です。りんごやスパイスを加えた醤油ベースのタレは、肉の旨味を引き出し、羊肉特有のクセを抑えた食べやすい味わいに仕上げられています。地域ごと、店舗ごとに異なる味付けがあり、食べ比べも楽しみのひとつです。
ジンギスカン街道には、約7軒の店舗が点在し、それぞれがこだわりの味を提供しています。炭火焼きの香ばしさを楽しめる店や、無煙ロースターで気軽に味わえる店など、スタイルも多彩です。また、地元で育てられたサフォーク種の羊肉を使用した料理を提供する店もあり、上質な肉の旨味を堪能できます。
秘伝のタレで漬け込んだジンギスカンが自慢の「信州不動温泉さぎり荘」や、ボリューム満点の肉料理が楽しめる「レストランむさしや」、地元で親しまれる「ルート19新町ドライブイン」など、個性豊かな店舗が揃います。さらに、炭火焼きにこだわる「ジンギスカン荘」や、美しい景色とともに味わえる「ろうかく荘」など、観光と食事を同時に楽しめるのも魅力です。
信州新町が「ひつじの町」と呼ばれるようになった背景には、昭和初期から続くめん羊飼育の歴史があります。昭和5年に飼育が始まり、乾燥した気候や農業副産物を活用した飼料環境が整っていたことから、多くの農家が羊の飼育に取り組みました。最盛期には約4,000頭もの羊が飼育され、地域の重要な産業となっていました。
ジンギスカン料理は昭和11年頃の料理講習会をきっかけに地域に広まりました。その後、観光客へのおもてなしとして提供されるようになり、昭和40年代から50年代にかけて交通の発展とともに店舗が増加し、「ジンギスカンの町」としての地位を確立しました。
一時は衰退しためん羊産業ですが、昭和57年に肉用種であるサフォーク種が導入されたことで再び注目を集めました。サフォーク種の肉は臭みが少なく、やわらかくジューシーな味わいが特徴で、従来のジンギスカンだけでなく、ステーキやしゃぶしゃぶなど多様な料理で楽しまれています。
ジンギスカン街道では、食事だけでなく、地元特産の羊肉やオリジナルのタレを購入することもできます。さらに、周辺には自然豊かな景観が広がり、ドライブを楽しみながら立ち寄る観光スポットとしても人気です。
信州新町の歴史と食文化が詰まったジンギスカン街道は、訪れる人々にここでしか味わえない特別な体験を提供してくれます。香ばしく焼き上げたジンギスカンを味わいながら、地域の魅力をゆっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。