1961年開園、地域に愛される歴史ある動物園
長野市城山動物園の歴史は、昭和36年(1961年)に開催された「長野産業博覧会」にさかのぼります。博覧会の開催に合わせて城山公園一帯の整備が進められ、その一環として遊園地や動物展示が設けられました。
博覧会終了後の同年8月、施設は正式に長野市営動物園として開園。その後、長野市民にとって身近な憩いの場として長く親しまれ、平成23年(2011年)には開園50周年を迎えました。
現在は長野市開発公社が指定管理者として運営しており、単に動物を見るだけでなく、動物の生態や自然環境について学べる教育施設としての役割も担っています。
善光寺に近く、無料で楽しめる便利な立地
城山動物園は、長野市中心部に近い城山公園の一角にあります。周辺には長野県立美術館や各種運動施設などがあり、長野市を代表する観光名所の一つである善光寺にも近いことから、観光ルートに組み込みやすいのが特徴です。
そして最大の魅力の一つが入園料無料。大きな動物園のように一日かけて歩き回る必要がなく、善光寺や美術館を訪れた際に、ちょっと立ち寄って動物たちに会うという楽しみ方もできます。
年間の来園者数はおよそ30万人。地元の家族連れを中心に、観光客にも広く利用されています。長野市では篠ノ井地区に長野市茶臼山動物園が設けられており、城山動物園はその分園として位置付けられています。
城山動物園で出会える動物たち
人気者のカリフォルニアアシカ
城山動物園で特に人気を集めているのがカリフォルニアアシカです。オスの「シュン」は大阪市の天王寺動物園出身、メスの「ドレミ」は茨城県の大洗水族館から令和元年(2019年)にやってきました。
ドレミはトレーニングにも取り組んでおり、飼育員とのやり取りを通して成長していく姿を見ることができます。
毎日午前11時と午後3時には「アシカのお食事タイム」が開催されます。元気いっぱいに動き回るアシカたちの姿を間近で楽しめる、城山動物園を代表する人気イベントです。
サル山で暮らすニホンザル
ニホンザルは、サル山で飼育されています。日本の野生環境にも生息する身近な動物ですが、動物園では餌を食べる様子や仲間同士の関わりなど、自然の中ではなかなかじっくり観察できない姿を見ることができます。
餌にはサル用のペレットを中心に、季節の野菜や果物、自然の枝葉などが用意されています。飼育員は餌を一か所にまとめず、広い範囲にまくことで、特定の個体だけが餌を独占することなく、すべてのサルが食べられるよう工夫しています。
餌を探したり、仲間同士で行動したりするニホンザルの姿を観察していると、一頭一頭の個性や群れの社会性にも気づくことができます。
丸池で暮らす水鳥たち
園内の「丸池」では、ゴイサギ、シナガチョウ、バリケン、アヒル、アイガモなど、さまざまな水鳥が一緒に暮らしています。
なかでもゴイサギは興味深い鳥の一つです。夜になると「クワー」と独特の声で鳴くことから、昔から「夜烏(よがらす)」という別名でも呼ばれています。
サル舎で観察したい個性豊かな仲間たち
シシオザル
シシオザルは、ふさふさとした尻尾の先がライオンの尾を思わせることから、その名前が付けられています。絶滅が心配されている貴重なサルで、果物や野菜、葉っぱ、ペレットなど、バランスを考えた食事が与えられています。
フサオマキザル
フサオマキザルは、非常に高い知能を持つことで知られるサルです。「南米のチンパンジー」と表現されることもあり、道具を使って堅いクルミなどを割る行動も観察できます。
動物が道具をどのように使うのか、その器用な動きをじっくり観察してみるのもおすすめです。
ワオキツネザル
長い尾に白と黒の輪模様が入っているのが特徴のワオキツネザル。マダガスカル島原産の絶滅危惧種で、愛らしい表情や活発な動きが人気を集めています。
コモンリスザル
コモンリスザルは、小柄で活発な動きが魅力のサルです。寒さが苦手なため、冬には室内で過ごすこともあります。
昆虫が好物で、夏には飼育員が餌となる虫を集める姿を見ることもできます。小さな体で元気に動き回る姿は、子どもたちにも人気です。
飯綱の森で長野の自然を学ぶ
「飯綱の森」は、長野市のシンボルの一つである飯綱山をテーマにした展示施設です。ニホンリス、オシドリ、イシガメなどを観察しながら、長野の身近な自然について学ぶことができます。
観察や体験を通じて動物について学べるため、子ども連れの家族にもぴったりのエリアです。
ニホンリスは巣を作る際に木の皮を剥いだり、布やビニールなどを巣材として持ち去ったりすることがあります。入場の際には、落とし物をしないよう身の回りの荷物にも注意しましょう。
岩場で暮らすケープハイラックス
新しくオープンした「ハイラックスのコピエ」では、岩場を生活の場とするケープハイラックスを観察できます。
岩の上でのんびり休んだり、岩陰に隠れたり、周囲をじっと見つめたりと、さまざまな表情を見せてくれます。小さな体と愛らしい姿から、じっくり眺めていると次々と新しい発見がある動物です。
仲良しのフンボルトペンギン
フンボルトペンギンも、城山動物園で人気の動物です。園内のペンギンには個体を識別するための色付きのバンドが翼に付けられています。
同じ色のバンドを付けたペンギン同士はペアです。さらに、右側がメス、左側がオスと分かるようになっています。
ペンギンのペアはとても仲が良く、一度ペアになるとほとんど解消されることがありません。寄り添ったり、一緒に過ごしたりする姿からは、ペンギンたちの社会性を感じることができます。
チリーフラミンゴとベニイロフラミンゴ
鮮やかな色彩が目を引くチリーフラミンゴとベニイロフラミンゴも、城山動物園の見どころです。
フラミンゴの子育てには、興味深い特徴があります。ヒナは親鳥が作り出す「フラミンゴミルク」と呼ばれる分泌物を口移しで与えられて育ちます。この分泌物には赤い色素が含まれており、成長するヒナの羽色にも影響を与えます。
城山動物園では5月下旬頃から産卵期に入り、タイミングが合えば巣作りの様子を観察できることもあります。フラミンゴは土を積み上げて巣を作り、曲がったクチバシを器用に使って形を整えていきます。
子どもに人気の遊具とアトラクション
城山動物園の楽しみは動物を見ることだけではありません。園内には子どもたちが遊べる遊具やアトラクションも用意されており、家族でのお出かけ先として楽しめます。
蒸気機関車型のモノレール「城山号」
園内のモノレールは、平成24年(2012年)にリニューアルされ、蒸気機関車をイメージした「城山号」として生まれ変わりました。園内を走る小さな列車は、動物を見た後の子どもたちの楽しみにもなっています。
メリーゴーラウンドなどの遊具
このほかにも、メリーゴーラウンド、アラビアンメリー、バッテリーカーなどがあり、動物園と遊園地の両方を楽しめるのが城山動物園の魅力です。
動物を観察するだけでは飽きてしまう小さな子どもでも、遊具を組み合わせることで一日のお出かけをより楽しく過ごせます。
善光寺観光と組み合わせて楽しむ城山エリア
城山動物園は、長野市を代表する観光名所である善光寺に近いため、寺社巡りと動物園を組み合わせた観光にも適しています。
善光寺を訪れた後に動物園で動物たちを眺めたり、長野県立美術館で芸術に触れたりと、歴史、文化、自然、動物を一度に楽しめるのが城山エリアの魅力です。
特に家族旅行では、寺院や美術館だけでなく子どもが楽しめる場所を組み合わせることで、世代を問わず過ごしやすい観光コースになります。
入園無料で気軽に立ち寄れる長野市の動物園
長野市城山動物園は、長野市中心部で気軽に動物たちと出会える、地域密着型の動物園です。長い歴史を持ちながら、アシカ、ニホンザル、ペンギン、フラミンゴ、キツネザル、リスザル、ケープハイラックスなど、多彩な動物を楽しむことができます。
さらに入園無料という大きな魅力があり、善光寺や長野県立美術館などと組み合わせて観光しやすいのもポイントです。
アシカのお食事タイムで躍動感あふれる姿を楽しんだり、サルたちの社会性を観察したり、ペンギンの仲良し夫婦に癒やされたり、フラミンゴの巣作りを眺めたりと、園内にはさまざまな発見があります。
善光寺を訪れる際の家族連れにおすすめの立ち寄りスポットとしてはもちろん、長野市内で無料で楽しめる観光スポットを探している方にもぴったり。長野の歴史や文化だけでなく、動物や自然にも触れながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。