長野県 > 長野市・戸隠・小布施 > 霊仙寺湖

霊仙寺湖

(れいせんじこ)

飯綱高原に佇む美しき人造湖

霊仙寺湖は、長野県上水内郡飯綱町に位置する、信濃川水系の支流であるソブ川に建設された美しい人造湖です。ソブ川の水を利用した農業用のため池として造られ活用されているこの湖は、豊かな自然に囲まれた飯綱高原にあり、その景観の美しさから観光地としても親しまれています。

湖にはコイやフナ、ブラックバスなどが生息しており、釣り愛好家に人気のスポットです。ボートを浮かべての湖面遊覧も楽しめます。特に冬場には気温が氷点下に下がり、湖面が結氷します。その氷上ではワカサギ釣りが行われ、多くの人々が穴釣りを楽しみに訪れます。夏はボートやカヌー、冬はワカサギ釣りと、季節に応じて多彩なレジャーが楽しめるのが霊仙寺湖の魅力です。

湖の成り立ちと名称

霊仙寺湖という名は、周辺地域に古くから伝わる伝説や信仰に由来しており、地元では親しみを込めて呼ばれています。湖そのものは農業用の沈殿池として整備されましたが、現在では観光地としても高い評価を受けています。

観光資源としての霊仙寺湖

飯綱高原の豊かな自然に囲まれて

霊仙寺湖は長野市の中心部から車でアクセス可能で、浅川ループライン(長野県道506号)を通じて飯綱高原に至る道中も、緑あふれる美しい景色が広がります。湖は豊かな高原の自然に包まれ、湖畔に群生するヨシは多くの水鳥たちの休息地となっています。湖の風景は人造湖とは思えぬほど自然に溶け込み、訪れる人々にやすらぎを与えています。春から秋にかけては緑豊かな高原風景、冬は幻想的な雪景色が広がります。

多彩な観光施設とアクティビティ

観光地としての開発も進んでおり、湖周辺には芝生広場、キャンプ場、テニスコート、ゴルフ場、スキー場、温泉施設、宿泊施設、ドッグランなど霊仙寺湖周辺には多彩なレジャー施設が整備されています。

また、湖には日本一の長さを誇る全長273メートルの浮橋が架けられており、湖の風景と調和した特徴的な名所となっています。

釣りとボート遊び

霊仙寺湖では、コイやフナ、ブラックバスなどの魚が生息しており、釣りを楽しむ人々に人気です。また、湖上では手漕ぎボートなどの遊覧も可能で、湖畔の風景を水上から堪能できます。

冬の楽しみ ― ワカサギ釣り

気温が氷点下になる冬季には湖面が全面結氷し、その氷上でのワカサギ釣りが楽しめます。多くの釣り客が訪れ、静かな雪景色の中で冬ならではのレジャーを満喫できます。

伝説とイベントの融合

飯縄山には古くから天狗「飯綱三郎天狗」の伝説が伝えられており、霊仙寺湖ではその伝承にちなんだイベントも多く開催されています。毎年夏には、湖畔で「薪能(たきぎのう)」の上演が行われ、幻想的な炎の中で日本の伝統芸能を堪能できます。また、「天狗の火舞花火大会」なども開催され、多くの観光客で賑わいます。これらの行事は地域文化と自然美を融合させた貴重な催しとして高く評価されています。

自然の宝庫としての霊仙寺湖

新種の藻類「レイセンジシャジクモ」

2001年(平成13年)、霊仙寺湖では日本国内では初となる新種の藻類が発見され、「レイセンジシャジクモ」と名付けられました。この藻類は現在、環境省によって絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されており、非常に貴重な存在とされています。湖の清らかな水と安定した環境が、このような希少種の生育に適していることを示しており、霊仙寺湖が自然保護の観点からも重要な地域であることがわかります。

伝説と文化 ― 飯縄山と天狗伝説

飯綱三郎天狗と地域の伝承

霊仙寺湖がある飯縄山は、古来より修験道の山として知られ、飯綱三郎天狗という天狗伝説が語り継がれています。この伝説にちなんだ「天狗の館」などの施設や、関連するイベントが霊仙寺湖周辺で行われ、訪れる人々に興味深い文化体験を提供しています。

周辺の観光スポット

飯綱高原エリアの魅力

霊仙寺湖の周辺には、四季折々の自然やアクティビティが楽しめる観光地が多数存在します。特に飯綱高原スキー場やいいづなリゾートスキー場では、冬のアクティブレジャーを満喫でき、夏には登山や森林散策が人気です。また、飯縄山登山も地元住民や観光客に親しまれています。

霊仙寺湖の歴史と背景

農業用水の課題とその解決策

飯綱町西部に位置する高岡地区では、標高1,917メートルの雄大な飯縄山のふもとを源とするソブ川の水を利用し、農地約65ヘクタールを灌漑していました。しかしながら、川の水には鉄分が多く含まれており、それが田の土壌を硬化させてしまうという問題がありました。鉄分が土中に蓄積されることで、地中深くまで稲の根が伸びず、作物の成長に大きな影響を与えていたのです。

研究と建設の歩み

こうした農業環境を改善するため、1950年代に有志たちによる研究が始まりました。その結果、鉄分は水を沈殿させることで除去できることが判明し、長野県では1966年(昭和41年)に「県営鉱毒対策事業」に着手します。これにより、鉄分除去を目的とした沈殿池として霊仙寺湖が建設されました。

この湖は、粘土質の土砂を用いたアースダムによって形成され、ソブ川の水を15日間滞留させることで、鉄分を沈殿させて除去し、浄化された上澄み水を灌漑用水として供給する仕組みとなっています。事業総工費は2億1,570万円にのぼり、その65%は国庫補助、残る35%を長野県と旧牟礼村(現・飯綱町)が等しく負担しました。1972年(昭和47年)には湖の建設が完了し、並行して県営のほ場整備事業も実施され、極度に硬化していた土壌は改善されました。

霊仙寺湖建設の背景と目的

農業用水確保のための挑戦

飯綱町西部の高岡地区では、飯縄山(標高1,917m)の麓から流れるソブ川の水を農業用水として利用してきました。しかし、鉄分を多く含むこの水は田んぼの土を硬くしてしまい、稲の成長を妨げていました。特に根が地中深くまで伸びにくくなり、生育に悪影響を与えていたのです。

対策としての研究と沈殿技術の発見

この問題を解決するため、1950年代には有志による水質研究が始まりました。その結果、ソブ川の水に含まれる鉄分は沈殿によって除去可能であることがわかりました。これを受け、長野県は1966年(昭和41年)に「県営鉱毒対策事業」として対策に着手しました。

霊仙寺湖の完成と整備事業

1972年(昭和47年)には、鉄分を沈殿させるための沈殿池として霊仙寺湖が完成しました。アースダムを用いて湖が形成され、水を15日間滞留させることで鉄分を除去し、上澄みの水だけが農地に配水されます。総工費は約2億1,570万円で、その65%は国庫、残りは県と旧牟礼村(現飯綱町)が分担しました。

土壌改良と農業の再生

湖の建設と並行して、県営ほ場整備事業も進められました。スコップでも割れないほど硬化していた土壌を粉砕・改良し、稲作の環境を大きく改善することができました。

まとめ ― 霊仙寺湖の魅力を訪ねて

霊仙寺湖は、単なる農業用水のため池という役割を超え、美しい自然景観と豊富な観光資源を兼ね備えた魅力的なスポットです。高原の澄んだ空気の中で四季折々の風景を楽しむことができ、釣りやキャンプ、冬のワカサギ釣りなど多様な楽しみ方が用意されています。さらに、希少種の生息地として、また伝説と信仰が息づく文化的な背景も持つこの湖は、訪れる人々に深い感動と癒やしを与えてくれる場所です。

Information

名称
霊仙寺湖
(れいせんじこ)

長野市・戸隠・小布施

長野県