飯縄山(飯綱山)は、長野県北部の北信地方に位置し、長野市・上水内郡信濃町・飯綱町の三市町にまたがる美しい山です。標高は1,917メートルあり、登山愛好家や自然を楽しむ観光客に親しまれています。
また、この飯縄山は、その支峰である霊仙寺山(標高1,875m)や瑪瑙山(標高1,748m)などを含む連山をまとめて指す場合もあり、雄大な山並みが魅力の一つです。戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山とともに、「北信五岳」として古くから地域のシンボルとされてきました。
飯縄山は、妙高火山群に属する成層火山で、約25万年前から火山活動を始めた二重式火山です。火山活動はおよそ5万年前まで続いたとされ、特に約15万年前から12万5千年前にかけての噴出物は「飯縄上樽テフラ」「飯縄西山テフラ」などと呼ばれています。
これらの噴出物は、現在の関東平野北西部、たとえば埼玉県熊谷市の江南台地付近や、群馬県甘楽町の白倉地域などで確認されており、地質学上、年代の指標として重要な資料とされています。
飯縄山の南斜面には「飯綱高原スキー場」、東斜面には「いいづなリゾートスキー場」が広がり、冬には多くのスキー客で賑わいます。また、霊仙寺山に連なる瑪瑙山の西斜面には、戸隠スキー場もあり、スノースポーツを楽しむには最適なエリアです。
さらに、飯縄山周辺には「飯綱湖」や「大座法師池」、「霊仙寺湖」、「逆谷地湿原」、「むれ温泉 天狗の館」など、四季折々の自然を満喫できる観光スポットが点在しており、夏にはハイキング、秋には紅葉狩り、冬はウィンタースポーツと、一年を通して楽しめます。
飯縄山は古くから山岳信仰の霊場として知られ、「飯縄権現(いいづなごんげん)」が祀られてきました。修験道の道場として栄え、管領・細川氏や戦国武将の上杉謙信、武田信玄、徳川家康などからも深く崇敬されていました。
登山道の途中には、不動明王をはじめとする13体の石仏が点在しており、巡礼の道としても知られています。
飯縄山に対する信仰から生まれたのが、「飯縄権現」です。神仏習合の神として知られ、烏天狗の姿で白狐に乗り、剣と縄を持った神聖な存在とされています。
飯縄権現は戦勝の神として武士階級の間で信仰され、特に上杉謙信はその兜に飯縄権現像を用いたことで有名です。さらに農業神や火除けの神としても全国に信仰が広まりました。
一方で、飯縄権現が授ける「飯縄法」は、「愛宕勝軍神祇秘法」や「ダキニ天法」と並び、中世から近世にかけては邪法ともみなされる一面もありました。天狗や狐を使役する外法として、俗信にも大きな影響を与えたのです。
「しきみの抹香を焚くと飯縄法は効かない」といった俗信が残る一方で、現在も信州をはじめ、東京都高尾山薬王院や千葉県の鹿野山神野寺など、関東以北において熱心な信仰が続いています。
飯縄山山頂には、全国の飯縄神社の惣社である飯縄神社が鎮座しています。社格は旧郷社で、起源はおよそ西暦270年とされ、山頂に天神大戸道尊を祀ったのが始まりです。
848年には学問行者が入山し、1233年には地頭の伊藤忠綱が神の啓示を受けて再建。その子・盛綱が飯縄の法を受け継ぎ、忍術の祖とされるまでに至ります。この神社の本地仏は大日如来であり、現在も多くの参拝者を集めています。
飯縄山の名前は、「飯砂(いいずな)」に由来します。これは、信州の一部に生息していたとされる「テングノムギメシ(天狗の麦飯)」と呼ばれる微生物の複合体にちなんでおり、かつてはこの山中に生息していたものの、現在では絶滅したとも言われています。
天狗がこの飯砂を配って飢えを救ったという伝説が残されており、地名にも深い意味が込められています。
四季折々の自然が楽しめるリゾート地。高原の爽やかな風を感じながら、森林浴やピクニックに最適です。
江戸時代初期に作られた歴史ある池で、周囲を散策するだけでも心が癒される風景が広がります。
静かな湖面が美しい、癒しのスポット。ボートや釣りなどのアクティビティも楽しめます。
登山やハイキングの疲れを癒せる天然温泉施設。露天風呂からは飯縄山を一望できます。
約10万年前から続く貴重な湿原地帯で、希少な植物や昆虫類の宝庫。自然観察にも最適です。