蓼の海は、長野県諏訪市に位置する水田灌漑用のため池で、大正12年(1923年)に築造されました。標高約1,250メートルの高地に広がるこの池は、周囲を豊かな森林に囲まれ、現在では総合公園「蓼の海公園」として整備されています。静かな水面と四季折々に表情を変える自然が調和し、市民や観光客の憩いの場となっています。
蓼の海は、大正14年(1925年)から冬季に天然のスケートリンクとして整備されました。冷涼な気候と良質な氷に恵まれ、滑りやすいリンクとして全国的に知られる存在となります。数々の日本記録がこの地で生まれたことから、「記録製造リンク」とも称されました。
昭和24年および昭和30年には国民体育大会冬季大会(スケート競技)の会場となり、日本学生氷上競技選手権大会も開催されるなど、国内有数のスケートリンクとして栄えました。さらに、オリンピック代表選手が合宿を行うなど、日本のスケート史を語る上で欠かせない場所でもあります。しかし、人工リンクの普及により大会開催は次第に減少し、昭和51年(1976年)に惜しまれつつ閉鎖されました。
現在の蓼の海公園は、市民の貴重な自然資源を守りながら、レクリエーションと学びの場を提供することを理念として、平成8年(1996年)に供用が開始されました。園内には芝生広場や遊歩道、森林体験学習館、フィールドアスレチックなどが整備され、家族連れやグループで自然を満喫できます。池では釣りも楽しむことができ、穏やかな時間が流れます。
蓼の海から整備された遊歩道を歩いて約15~20分ほどの場所にある大見山展望台は、ぜひ訪れたいスポットです。展望台からは諏訪湖をはじめ、晴れた日には遠く日本アルプスの山並みまで見渡すことができ、その眺望は格別です。四季折々の景色を楽しみながらの散策は、心身ともにリフレッシュさせてくれるでしょう。
JR中央本線上諏訪駅から車で約15分、中央自動車道諏訪ICからは車で約50分です。自然に囲まれた静かな環境の中で、歴史とアウトドアを同時に楽しめる観光地としておすすめです。
蓼の海の近くには、同じく標高約1,250メートルに位置するいずみ湖があります。人工ため池であるいずみ湖は、カラマツやモミジなどの樹林に囲まれ、四季を通じて美しい自然に触れることができます。
いずみ湖周辺は「いずみ湖公園」として整備され、芝生広場や水辺広場、散策の森などが広がる良好な環境が整っています。36ホールのマレットゴルフ場や8面のテニスコート、多目的グラウンド、カヌー場、研修の家、キャンプ場など、多彩な施設が充実しています。公園は4月から11月まで開園し、特に5月から10月はキャンプ場も利用可能です。
夏は避暑地としても人気があり、爽やかな高原の空気の中でキャンプやスポーツを楽しむことができます。蓼の海とあわせて訪れることで、歴史と自然、そしてアクティブな体験を一度に満喫できる魅力的なエリアとなっています。