道の駅 信州蔦木宿は、長野県諏訪郡富士見町の国道20号沿いに位置し、甲州街道の宿場町として栄えた「蔦木宿」の伝統と風情を今に伝える道の駅です。江戸時代、蔦木宿は甲州街道の43番目の宿場町として多くの旅人が行き交い、信州への玄関口として賑わっていました。街道開通から390年を経た現在、この地には往時の趣を再現した木造の建物群が並び、旅人の心と体を癒やす場所として再び注目を集めています。
道の駅信州蔦木宿は、「宿場町の情緒」と「現代の快適さ」を融合させた施設構成が特徴です。館内には地元のそば粉を使った本格的な手打ちそばを提供する食事処、地域特産の野菜や果物、花、お土産を販売する直売所、そして天然温泉「つたの湯」など、多彩な施設が揃っています。特に温泉施設は、旅の疲れを癒す憩いの場として人気が高く、地元住民から観光客まで幅広く利用されています。
この道の駅は、富士見町と国土交通省が協力して整備・運営を行っています。駐車場やトイレ、情報ステーションなどを国土交通省が管理し、レストランや温泉、物産館などの地域振興施設部分を富士見町が管理しています。実際の運営は、地域住民が出資して設立した「信州蔦木宿推進協議会」が担っており、地域の伝統を守りながら新しい交流を生み出す場として大切に育てられています。
つたの湯は、ナトリウム・カルシウムを含む硫酸塩・塩化物泉で、筋肉痛や冷え性、皮膚疾患などに効果があるとされています。大浴場や露天風呂、ジャグジー、サウナを備え、源泉かけ流しの湯が楽しめます。館内には和室の休憩室もあり、湯上がりにゆったりとくつろぐことができます。毎月26日には「風呂の日」として、季節の香りを楽しむ「りんご湯」や「ゆず湯」などの変わり風呂が登場し、抽選会やドリンクサービスも行われます。
レストラン「てのひら館」では、八ヶ岳山麓産のそば粉を使った手打ちそばが名物です。そば粉は「荒挽き」「丸抜き」「丸抜き十割」の3種類を使い分け、風味豊かなそばを提供しています。さらに、地元産の「蔦木米」や旬の野菜を使った料理も人気で、心温まる信州の味覚を堪能できます。
また、ご当地ソフトクリーム「ほぺ落ちソフト」は、野辺山高原の牛乳工場「ヤツレン」直送のジャージー牛乳を使用しており、その濃厚な味わいが訪れる人々に喜ばれています。さらに、地元高校生が開発した「ルバーブカレー」も評判で、特産の赤いルバーブを使った酸味のある独特の風味が特徴です。
物産館では、富士見町や周辺地域で生産された農産物や加工品がずらりと並びます。地元産の米・蔦木米や味噌、チーズ、鹿肉製品、えごまなど、多彩な商品が並ぶ中で特に人気なのが、地元女性グループによる手作り総菜やおにぎりです。地元産の味噌と旬の食材を使った「蔦木米おにぎり」は午前中に売り切れるほどの人気で、訪れる人々から高い評価を得ています。
また、富士見町特産の「赤いルバーブ」を使ったスイーツや加工品も販売されており、全国発送も可能です。電子マネーやクレジットカードにも対応しており、観光客にも利用しやすい環境が整っています。
蔦木宿は、かつて甲州街道が釜無川を越えて信州に入る最初の宿場として栄えました。現在も、釜無川の清流や桜並木が美しい風景を作り出し、春には花見、夏には川遊びが楽しめます。八ヶ岳中信高原国定公園に含まれる富士見町は、登山やスキー、ゴルフなど四季折々のレジャーが楽しめる高原リゾート地として知られており、道の駅はその観光拠点としても人気を集めています。
道の駅信州蔦木宿では、地域と観光客をつなぐ多彩なイベントが開催されています。毎年11月3日に行われる「新そば祭り」では、地元産そばの新そばを味わえるほか、オーケストラ演奏やよさこい踊りが披露され、多くの人々で賑わいます。その他にも夏祭り、新米まつり、フリーマーケット、野菜市など、年間を通して地域の魅力を感じられる催しが開かれています。
中央自動車道の小淵沢ICから車で約6分、諏訪南ICからは約13分とアクセスも良好です。JR中央本線「信濃境駅」からタクシーで6分、「小淵沢駅」からも8分の距離にあり、観光の拠点としても便利です。
周辺には、国宝の土偶を展示する「尖石縄文考古館」や「井戸尻考古館」、そして八ヶ岳の雄大な自然を楽しめる「富士見パノラマリゾート」など、見どころが多数あります。四季折々の風景を楽しみながら、信州の自然・歴史・文化を体感できるエリアとして多くの旅行者に親しまれています。
道の駅 信州蔦木宿は、かつての宿場町の情緒と、現代の快適な観光施設が調和する場所です。温泉で癒やされ、地元の味覚を堪能し、八ヶ岳の雄大な自然を眺めながら心安らぐひとときを過ごすことができます。旅の途中に立ち寄るだけでなく、目的地としても訪れる価値のある道の駅です。