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諏訪市美術館

(すわし びじゅつかん)

湖畔に佇む歴史ある文化の拠点

諏訪湖のほとりに息づく芸術空間

諏訪市美術館は、長野県諏訪市の諏訪湖畔に建つ風情あふれる美術館です。隣接する国重要文化財「片倉館」と共に、和洋の調和が美しい景観を形成しています。美術館は、地域の芸術文化を伝える場として多くの人々に親しまれ、諏訪の自然とともに静かな時間を楽しむことができる場所です。

豊富な所蔵作品と常設展示

館内には、日本画、洋画、版画、彫刻、工芸、書など、幅広い分野の作品が約1400点収蔵されています。地元ゆかりの作家から国内外の巨匠まで、多彩な芸術が揃っています。

特に彫刻家・細川宗英の常設展示コーナーがあり、来館者が芸術の深さに触れられる空間となっています。日本画では奥村土牛、杉山寧、洋画では東郷青児、石井柏亭、アンリ・マチスなど名だたる作家の作品を鑑賞することができます。また、地元出身の宮坂房衛小口正二といった工芸家の作品も展示され、諏訪地域の芸術文化の豊かさを感じられます。

工芸・彫刻・書の世界

工芸作品には、漆芸家髙橋節郎や陶芸家浅蔵五十吉の作品が並び、伝統技術と現代美の融合を楽しむことができます。彫刻分野では、荻原碌山高田博厚など日本近代彫刻を代表する作家の作品が展示されています。書の展示では、内島北朗岡麓など信州にゆかりの深い書家たちの作品が、静謐な美を伝えています。

多彩な企画展と芸術交流

開館以来、諏訪市美術館では数多くの企画展が開催されてきました。1952年には西岡瑞穂個展、1964年には昭和天皇・香淳皇后の行幸啓に合わせた展示会など、地域の文化発信拠点として発展してきました。

近年では、「諏訪敦絵画作品展 ~どうせなにもみえない~」(2011年)や、「共鳴/主張する個性~現代洋画家10人~」(2012年)など、現代アートの魅力を伝える展覧会も多数開催されています。また、2021年には諏訪市名誉市民である彫漆家小口正二の回顧展「春はかならず来る」が行われ、多くの来館者を魅了しました。

開館の歩みと歴史的背景

その起源は1928年(昭和3年)に建てられた片倉館の付属施設「懐古館」に遡ります。当初は美術品や蚕糸関係の展示が行われていました。1947年(昭和22年)には「諏訪美術館」として独立し、画家石井柏亭が副館長を務めました。1950年(昭和25年)に片倉家より懐古館が諏訪市に寄贈され、1956年(昭和31年)に正式に「諏訪市美術館」として開館しました。

創設には彫金作家の宮坂房衛北原三佳が深く関わり、県内で最も古い、そして全国でも五番目に古い公立美術館として知られています。2011年(平成23年)には、その歴史的価値と建築美が認められ、国の登録有形文化財に指定されました。

利用案内とアクセス情報

開館時間は午前9時から午後5時まで(最終入館は午後4時30分)。休館日は月曜日・祝日の翌日・年末年始および展示替え期間・資料整理期間です。

アクセスはJR中央本線上諏訪駅から徒歩約5分と便利な立地にあり、諏訪湖畔の散策と併せて訪れる観光客にも人気です。車で訪れる場合は、中央自動車道諏訪ICから約7kmです。

諏訪湖畔の文化発信拠点として

諏訪市美術館は、長年にわたり地域の芸術と文化を発信し続けてきました。湖の静けさに包まれながら、美術館内でじっくりと芸術に向き合う時間は、訪れる人々に豊かな感性と安らぎをもたらします。歴史ある建物と、時代を超えて受け継がれる美の世界を体験できるこの場所は、まさに諏訪の文化を象徴する美の聖地といえるでしょう。

Information

名称
諏訪市美術館
(すわし びじゅつかん)

諏訪・蓼科・八ヶ岳

長野県