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白華山 慈雲寺

(じうんじ)

700年の歴史を刻む禅の古刹

慈雲寺は、長野県諏訪郡下諏訪町にある臨済宗妙心寺派の寺院で、山号を白華山(はっかさん)といいます。本尊には十一面千手千眼観音菩薩が祀られ、古くから地域の人々の信仰を集めてきました。鎌倉時代後期に創建された県内最古級の禅宗寺院の一つであり、700年以上にわたって下諏訪の歴史とともに歩んできた名刹です。

創建の由来と武田信玄ゆかりの寺

慈雲寺は、正安2年(1300年)、諏訪大社下社の大祝(おおほうり)であった金刺満貞を開基とし、鎌倉五山の一つ建長寺の住職であった名僧一山一寧(いっさんいちねい)禅師を招いて開山されました。信州における臨済宗の中心的存在として栄え、多くの優れた僧を輩出した格式高い禅寺です。

戦国時代には、甲斐の武将武田信玄が七世住職・天桂玄長禅師に深く帰依し、寺の復興に尽力しました。その縁から、寺紋には武田氏の家紋である武田菱が用いられ、現在も信玄ゆかりの寺として広く知られています。

静寂に包まれる境内の美

杉並木と山門

参道には大木の杉並木が連なり、凛とした空気の中を歩くひとときは、まさに禅寺ならではの趣を感じさせます。苔むした参道の先に佇む山門は、安永8年(1779年)建立の歴史ある建築で、町の文化財にも指定されています。

枯山水庭園と池泉庭園

境内には美しく整えられた枯山水庭園池泉庭園が広がり、四季折々の自然とともに静かな時間を楽しむことができます。禅の精神を体現する庭園美は訪れる人の心を穏やかに整え、観光の合間にほっと一息つける場所となっています。

天桂の松

前庭には樹齢450年以上と伝わる名木「天桂の松」がそびえ立っています。七世住職・天桂玄長禅師にちなむこの松は、長い歴史を見守り続けてきた象徴的な存在です。

歴史を伝える文化財

慈雲寺には貴重な文化財が数多く残されています。中でも応安元年(1368年)鋳造の梵鐘は長野県宝に指定されており、総高114cm、口径66cmを誇る重厚な鐘です。この時代の梵鐘は現存例が少なく、歴史的価値の高いものとして大切に保存されています。

また、本堂は文化5年(1808年)に再建された立川流建築で、上諏訪の名匠・市蔵が棟梁を務めました。江戸時代後期の意匠を今に伝える建築美も見どころの一つです。さらに、木喰上人作と伝わる阿弥陀如来立像や、諏訪藩初代藩主・日根野織部正高吉の供養塔など、歴史を物語る遺構が点在しています。

周辺観光とあわせて楽しむ

慈雲寺は、諏訪大社下社春宮万治の石仏にも近く、下諏訪町の歴史散策コースの一つとして人気があります。諏訪湖畔からもほど近く、温泉街や宿場町の面影を残す町並みとあわせて訪れることで、より深く下諏訪の魅力を感じることができるでしょう。

アクセス

JR中央本線下諏訪駅から徒歩約15分。駐車場も整備されており、車での参拝も可能です。静かな環境の中で、歴史と禅の精神に触れるひとときをお過ごしください。

まとめ

慈雲寺は、鎌倉時代に創建され、武田信玄ゆかりの寺として栄えた由緒ある禅寺です。杉並木の参道、趣深い山門、美しい庭園、そして歴史ある文化財の数々が訪れる人を迎えてくれます。下諏訪温泉や諏訪大社とともに巡ることで、信州の歴史と文化をより深く体感できるでしょう。静寂と歴史が調和するこの古刹で、心安らぐ時間をぜひお楽しみください。

Information

名称
白華山 慈雲寺
(じうんじ)

諏訪・蓼科・八ヶ岳

長野県