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木曽福島郷土館

(きそ ふくしま きょうどかん)

木曽の歴史と文化を今に伝える資料館

木曽福島郷土館は、長野県木曽郡木曽町福島に位置する郷土資料館で、木曽谷に息づく歴史と文化を後世に伝える貴重な施設です。中山道の宿場町として栄えた木曽福島の歴史を中心に、江戸時代の交通や宿場の様子、町民や農民の生活、御嶽信仰、そして漆器産業など、多岐にわたる分野の資料を展示しています。

館の敷地内には、開田高原から移築された古民家が保存されているほか、地域各所から移設された石造文化財も屋外展示されており、屋内外を通じて木曽の暮らしや信仰に触れることができます。

展示内容 ― 木曽の文化と暮らしを体感する

郷土館は、興禅寺や御料館(旧帝室林野局木曽支局庁舎)の脇の道を上った場所にあり、周囲を静かなヒノキ林に囲まれています。敷地面積は約6,798平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造の2階建てで、延床面積は618.3平方メートルです。1階には事務室や収蔵庫、ロビーが、2階には広々とした展示室が設けられています。

館内では、中世から江戸時代にかけての木曽の文化や生活用品約1,700点を展示し、テーマごとに「中世の木曽文化」「江戸時代の交通と宿場」「八沢の漆器」「木曽馬」「町人の生活」「農民の生活」など、12のコーナーに分けて紹介しています。特に目を引くのは、馬屋標旗(まやひょうき)や馬商人鑑札、紙絵馬などの木曽馬関係資料で、当時の馬産文化の豊かさを感じることができます。

さらに、八沢町の木曽漆器として知られる「曲物(まげもの)」に美しい漆を施した工芸品や、地域の女性たちが使っていた櫛の標本など、木曽独自の文化と技術の粋を堪能できます。また、建物自体も特徴的で、瓦を垂直に張った珍しい鉄筋コンクリート造りとなっており、建築面から見ても一見の価値があります。

民俗園 ― 屋外で感じる木曽の生活文化

郷土館の敷地内には、附属の民俗園が設けられており、ここでは開田村から移築された古民家や郷蔵(ごうくら)などが保存されています。これらの建物は、当時の農村生活をそのまま伝える貴重な文化財であり、訪れる人々に木曽の自然と共に生きた人々の知恵と工夫を感じさせてくれます。

郷土館全体での収蔵資料数は約5,000点にのぼり、その内訳は交通史料約500点、文化資料約500点、民俗資料約2,000点、その他約2,000点と、多彩な分野にわたっています。どの資料も、木曽の人々が残した暮らしの記録であり、地域の誇りを今に伝える貴重な証です。

沿革 ― 郷土の記録を守り続ける歩み

木曽福島郷土館の歴史は古く、1954年に旧・木曽郡福島町の福島町立福島小学校内に設けられた郷土館が始まりです。当時、地元の生駒勘七氏を中心に、地域に伝わる歴史資料や民俗資料の収集が進められました。その後、1967年に福島町と新開村が合併して木曽福島町が発足すると、この小学校附設の郷土館を基盤として、1969年(昭和44年)5月1日に正式な町立資料館として開館しました。

利用案内 ― 見学のご案内

木曽福島郷土館の入館料は、一般300円、小中学生150円です。開館時間は午前10時から午後4時までで、開館日は5月から11月上旬までの土曜日・日曜日・祝祭日となっています。休館日は月曜日から金曜日までで、冬季(11月~4月)は全面休館となりますので、訪問の際はご注意ください。

まとめ ― 木曽の心を感じる文化拠点

木曽福島郷土館は、単なる展示施設にとどまらず、木曽の人々の暮らしや信仰、そして自然と共に歩んできた歴史を感じられる場所です。訪れる人々は、展示資料や建築、周囲の自然環境を通して、木曽という土地が培ってきた豊かな文化に深く触れることができます。中山道の旅の途中に立ち寄り、木曽の郷土の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
木曽福島郷土館
(きそ ふくしま きょうどかん)

諏訪・蓼科・八ヶ岳

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