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聖光寺(茅野市)

(しょうこうじ)

蓼科高原に咲く「本州で最も遅い桜」と交通安全の祈り

高原に佇む静寂の寺院

聖光寺は、長野県茅野市の蓼科高原に位置する寺院で、1970年(昭和45年)に建立されました。標高約1,200メートルの高原にあり、春には遅咲きの桜が咲き誇る美しい場所として知られています。正式には奈良の名刹・薬師寺の別院にあたり、宗派は法相宗に属しています。高原の清らかな空気に包まれた聖光寺は、観光客のみならず、多くの参拝者にとっても心安らぐ祈りの地です。

トヨタグループが建立した交通安全祈願の寺

この寺は、トヨタ自動車をはじめとするトヨタグループが施主として建立したことでも知られています。もともとこの地は、旧北山村時代に存在した「茅野市立北山小学校蓼科分校」の跡地で、地域の開拓民の子どもたちが学んでいた場所でした。その跡地を活用して、交通事故のない社会を願い、1970年に聖光寺が誕生しました。

開眼法要は同年7月9日に行われ、奈良・薬師寺より長老の橋本凝胤(はしもとぎょういん)師を招いて厳粛に執り行われました。以来、聖光寺は「交通安全の祈願」「交通事故遭難者の慰霊」「負傷者の早期快復」の三大寺命を掲げ、車社会の安全を祈る寺院として多くの信仰を集めています。

毎年行われる交通安全大祭

毎年7月には、聖光寺の夏季大祭が盛大に行われます。この大祭には、トヨタグループの首脳陣をはじめ、多くの関係者が参列し、交通安全を真摯に祈願します。全国的にも珍しい「企業が建立した交通安全祈願の寺」として、地域社会や自動車業界にとっても特別な意味を持つ行事です。

「本州で最も遅いソメイヨシノ」― 高原に咲く桜の楽園

聖光寺のもう一つの大きな魅力は、春を彩る見事な桜の光景です。境内には約300本ものソメイヨシノが植えられていますが、標高が高いため開花時期が遅く、「本州で最も遅く咲く桜」として知られています。例年、4月下旬から5月上旬、ちょうどゴールデンウィークの時期に満開を迎え、多くの花見客が訪れます。

「聖光寺桜まつり」― 春の訪れを祝う行事

桜の開花に合わせて行われるのが、毎年恒例の「聖光寺桜まつり」です。この時期には、地元の人々や観光客が集まり、心温まるおもてなしを受けることができます。参拝者には温かい豚汁の振る舞いがあり、境内では野点(のだて)と呼ばれる野外茶会が開かれ、春の高原の風に包まれながら抹茶を味わうことができます。

また、夜にはライトアップが行われることもあり、昼間とは違う幻想的な光景が広がります。雪解けを終えたばかりの蓼科の山々を背景に、淡い桜の花が光に浮かぶ様子はまさに別世界のようです。

秋には紅葉が美しく彩る境内

聖光寺は春だけでなく、秋の紅葉でも多くの人々を魅了します。桜の木々が赤や黄色に色づき、境内全体が鮮やかな秋色に包まれます。蓼科湖を望む静かな風景の中で、澄んだ空気と落ち着いた雰囲気を楽しむことができ、訪れる人々に深い安らぎを与えてくれます。

交通安全と自然の調和する祈りの空間

聖光寺は、単なる観光地や桜の名所ではなく、人々の安全と平和を祈る場として大切に守られています。トヨタグループの理念である「安全・安心」を体現する場所であり、また、自然と調和した日本の伝統美を感じることができる場所でもあります。四季折々に移り変わる高原の自然は、訪れるたびに異なる表情を見せ、心を清めてくれるようです。

アクセスと周辺観光

聖光寺へは、茅野市街地からビーナスラインを白樺湖方面へ向かい、蓼科湖のすぐ近くに位置しています。湖を挟んで対岸に見える美しい伽藍が目印です。桜の時期には多くの観光客で賑わい、周辺には蓼科湖畔のカフェや土産店、そして蓼科高原の豊かな自然を感じられる遊歩道も整備されています。

さらに、近隣には「蓼科アミューズメント水族館」や「バラクライングリッシュガーデン」などの人気観光スポットもあり、季節を通じて楽しめるエリアとなっています。

まとめ ― 高原の春を告げる祈りの寺

聖光寺は、交通安全を祈願するために創建された由緒ある寺院でありながら、春には本州で最も遅い桜が咲く名所として多くの人々に親しまれています。標高1,200メートルの澄んだ空気と、静寂に包まれた境内に咲く満開の桜。その光景は、訪れる人々の心を穏やかにし、日々の安全と幸福を祈る気持ちを自然と呼び起こしてくれます。

蓼科高原の四季の中で、聖光寺は今も変わらず人々に癒しと祈りの時間を与え続けています。桜が咲く季節はもちろん、紅葉や雪景色の時期にもぜひ訪れてみたい、心に残る美しい寺院です。

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聖光寺(茅野市)
(しょうこうじ)

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