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善光寺(諏訪市)

(ぜんこうじ)

湖と山を望む信仰の古刹

諏訪に佇む由緒ある寺院

善光寺は、長野県諏訪市湖南に位置する真言宗智山派の寺院で、山号を「松尾山」と称します。開基は本田善光とされ、長野県内に三つある善光寺(長野市の善光寺、飯田市の元善光寺、諏訪市の善光寺)のうちの一つです。いずれも本田善光ゆかりの寺として知られ、それぞれが信州仏教の歴史を今に伝えています。

善光寺伝説と諏訪の地との関わり

伝承によれば、飯田市の「元善光寺」から長野市の「善光寺」へ本尊が移される際、7年間にわたり諏訪の地に安置されたと伝えられています。そのため、諏訪の善光寺は「本尊が一時期とどまった霊場」として、古くから多くの信仰を集めてきました。

長野県内では三つの善光寺すべてを巡拝することが最良とされており、善光寺信仰の巡礼ルートとしても知られています。また、北の長野市善光寺と向かい合うように位置しているため、上田市の別所温泉にある「北向観音」とあわせてお参りすることで「片参りにならない」と言われています。これは、善光寺参りの文化が県全体に広がっていたことを示す興味深い風習です。

自然と景観に恵まれた境内

諏訪の善光寺は、山の高台に位置し、諏訪湖や霧ヶ峰、八ヶ岳連峰を一望できる絶景の地にあります。春には樹齢200~300年を超えるしだれ桜やモクレンの大木が花を咲かせ、訪れる人々の目を楽しませます。境内には観音堂、瑠璃殿、松尾大明神(三十番神)などの堂宇が整い、四季折々の自然とともに静謐な信仰空間を形づくっています。

貴重な文化財の数々

善光寺には、歴史的価値の高い文化財が多く残されています。山門は文政9年(1826年)に矢崎九衛門によって建立されたと伝えられ、三間一戸の楼門形式で市の有形文化財に指定されています。重厚な造りの山門は、参拝者を荘厳な雰囲気の境内へと導きます。

また、不動明王立像(鎌倉~南北朝時代)毘沙門天立像なども市指定の文化財であり、これらはもともと諏訪大社上社の神宮寺に安置されていたものです。明治の廃仏毀釈の際に善光寺へと移され、今日まで大切に守られています。

さらに、金剛力士像(阿形・吽形)も同じく神宮寺から伝わったもので、かつての仁王門が取り壊された際に現在の開山堂前に移されました。これらの像はいずれも鎌倉時代の木造彩色で、当時の仏師の技と信仰の深さを今に伝えています。

信仰と風景が調和する名刹

諏訪の善光寺は、仏教と自然が調和した静かな寺院です。境内から望む諏訪湖の景色は格別で、春には桜、秋には紅葉が境内を彩り、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。歴史的建造物と文化財に囲まれながら、心静かに祈りを捧げることができるこの寺は、観光地としても人気を集めています。

アクセス

善光寺へのアクセスは、JR中央本線・上諏訪駅から車で約20分。諏訪市立湖南小学校や諏訪西中学校の南側に位置しています。高台にあるため、参拝の際には雄大な諏訪湖と山々の景観を楽しむことができ、心安らぐ時間を過ごすことができるでしょう。

まとめ

諏訪市の善光寺は、信州仏教の歴史を伝えるとともに、自然と信仰が共存する癒しの場所です。壮麗な文化財と豊かな自然美、そして長い年月を経ても変わらぬ信仰の心が息づくこの寺院は、訪れる人々に深い感動と静かな安らぎを与えてくれることでしょう。

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名称
善光寺(諏訪市)
(ぜんこうじ)

諏訪・蓼科・八ヶ岳

長野県