沓掛温泉は、長野県小県郡青木村の山間にひっそりとたたずむ、小規模ながらも豊かな自然と歴史に包まれた温泉地です。青木村は「信州の鎌倉」とも称される地域で、文化や歴史、自然の魅力が融合した独自の雰囲気を持っています。
沓掛温泉の源泉は硫黄泉で、湯の温度は約39℃とややぬるめ。そのため、長時間の入浴にも向いており、心身ともにじっくりと温まることができます。
効能としては以下のようなものが挙げられ、湯治場としても古くから親しまれてきました。
地元の方々にとっても、生活に密着した癒しの場となっています。
温泉街は、標高約670mの山間、夫神岳(おがみだけ)の西麓に位置しています。沓掛川のほとりにある坂を登ったところにあり、周囲には豊かな自然が広がっています。大規模な歓楽的な要素はなく、ひなびた風情が旅人を魅了します。
かつては「おもとや」「かどや」「叶屋(かなふや)」の3軒の旅館が軒を連ね、合計で125名を収容できる温泉地として賑わっていましたが、現在は以下のように再編されています。
これらの施設では、訪れる人々が気軽に温泉を楽しむことができ、地域住民にも日常的に利用されています。温泉を利用した野菜などの洗い場が共同浴場の横にあり、生活に根ざした温泉文化を見ることができます。
沓掛温泉の開湯は古く、平安時代とされています。伝承によれば、信濃国司として赴任していた滋野親王が当地で眼病を癒すために湯治を行い、その効果に感銘を受けて薬師堂を建立したとされています。
また、親王が温泉裏山の姿を故郷・京都の小倉山に似ていると感じたことから、「小倉乃湯」と名づけられたとも言われています。この名は現在も共同浴場に残り、温泉地の象徴となっています。
1970年(昭和45年)3月24日には、田沢温泉とともに厚生省(現・厚生労働省)により「国民保養温泉地」に指定され、保健休養の場としてその価値を認められました。
1998年には「小倉乃湯」が改築され、現代的な施設としてリニューアル。2015年には「おもとや旅館」が閉館し、翌年「満山荘」として新たな出発を迎えています。
温泉街の周辺には散策に最適な遊歩道が整備されており、歴史や自然を感じながらゆっくりと歩くことができます。
沓掛温泉へのアクセスは以下の通りです。
沓掛温泉は、歴史と自然に包まれた静かな温泉地です。日常の喧騒を離れ、体と心を癒したい方には最適な場所と言えるでしょう。湯治場としての機能も持ちつつ、地元の暮らしと密接に結びついたこの温泉地は、訪れる人々にどこか懐かしく、心温まる時間を提供してくれます。