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善五郎の滝

(ぜんごろう たき)

朝日に輝く美瀑

善五郎の滝は、長野県松本市安曇の鈴蘭地区に位置する、落差約22メートル、幅約8メートルの端正な滝です。乗鞍岳の麓、乗鞍高原の上部にあり、「三本滝」「番所大滝」と並んで「乗鞍三滝」と称される名瀑のひとつとして知られています。その名は、かつてこの地で釣りをしていた善五郎という人物が、イワナに引き込まれて滝壺に落ちたという伝説に由来するといわれています。

自然がつくり出した端正な姿と神秘的な光景

善五郎の滝は、小大野川が乗鞍火山の噴出した「番所溶岩」(普通輝石紫蘇輝石安山岩)を削って形成された滝です。水が岩肌を均一に滑り落ちる姿は美しく、見る者に清らかな印象を与えます。滝の周辺では、溶岩が冷えて収縮する際にできた柱状節理の模様も確認でき、自然の造形美を間近に感じることができます。

また、この滝は東向きに位置しているため、朝日を浴びると水しぶきが輝き、運が良ければ美しい虹を見ることもあります。季節や時間帯によって光の差し込み方が異なり、訪れるたびに新たな表情を楽しむことができるのも魅力の一つです。

信仰と文化が息づく名勝

善五郎の滝は、古くから乗鞍岳信仰の行場として修験者に親しまれてきたと伝えられています。自然景観としての美しさに加え、文化的・精神的な価値を併せ持つ場所でもあります。滝の背後には雄大な乗鞍岳がそびえ、四季折々に変化する自然とともに、訪れる人々に深い感動を与えています。春の新緑、夏の涼しげな水音、秋の紅葉、そして冬の氷瀑と、一年を通して異なる魅力が楽しめます。

特に冬季には、滝が凍結して巨大な氷のカーテンのような「氷瀑」が出現し、幻想的な光景を作り出します。この時期は写真愛好家にも人気が高く、静寂の中に響く氷の音が冬の自然の厳しさと美しさを感じさせてくれます。

アクセスと散策情報

滝へはアルピコ交通バス「鈴蘭橋バス停」から徒歩約10分でアクセスできます。県道84号乗鞍岳線沿いには駐車場やトイレが整備されており、家族連れでも訪れやすい環境が整っています。滝見台からは安全に滝を望むことができ、さらに下流方向へ続く散策路では、小大野川沿いの自然散策も楽しめます。

朝日とともに輝き、季節ごとに姿を変える善五郎の滝は、乗鞍高原を訪れる人々に静かな感動を与える癒しの場所です。自然と伝承、そして歴史が調和するこの滝は、まさに乗鞍の自然の象徴といえるでしょう。

Information

名称
善五郎の滝
(ぜんごろう たき)

松本・上高地・塩尻

長野県