温泉街は松本市の郊外、美ヶ原の山麓である標高800メートルに位置し、温泉街が広がっています。美ヶ原高原とは直線距離で数キロ離れています。
歴史ある温泉街で、古くからの町並みが残っています。共同浴場は「白糸の湯」が存在しています。
歴史
美ヶ原温泉の歴史は古く、奈良時代にはすでに開湯されていました。日本書紀にも奈良時代初め「束間の温湯」という、現在の美ヶ原温泉と推定される温泉に天武天皇が訪れたという記録があります。
安土桃山時代から江戸時代には松本藩の歴代城主たちの保養地として利用され、御殿湯である入浴施設「山辺茶屋」が設置されていたとされます。
湯治客の増加に応じて宿泊施設も増え、明治時代には「山辺温泉」と名付けられました。
温泉の名称は昭和30年代に入ってから「美ヶ原温泉」となりましたが、今でも地元では「白糸の湯」や「御殿の湯」といった呼び名で親しまれています。
現在も共同浴場として「白糸の湯」の名前が受け継がれています。歴史的な由緒を感じることのできる、静かで落ち着いた雰囲気の温泉地です。
泉質と効能
美ヶ原温泉の泉質は弱アルカリ性の単純温泉で、温泉の温度は42℃から45℃です。毎分1,246Lの湧出量があります。神経痛や動脈硬化症などに効果があるとされています。
1983年には、環境庁により国民保養温泉地に指定されています。