乗鞍高原は、長野県松本市安曇に広がる標高約1,100〜1,800メートルの山麓高原です。北アルプス南部にそびえる名峰・乗鞍岳(標高3,026メートル)の東側山麓に位置し、夏でも冷涼な気候に恵まれています。四季折々の自然が美しく、夏は避暑やトレッキング、秋は紅葉、冬はスキーや温泉など、一年を通じてさまざまな楽しみ方ができる人気の観光地となっています。
乗鞍高原は、カラマツやシラカバの美しい林に包まれ、どこかヨーロッパ・スイスの高原を思わせるような明るく穏やかな風景が広がっています。広大な高原では、春には新緑と花々が咲き誇り、夏は避暑地として多くの人々が訪れます。秋になると山々が紅葉で染まり、冬は雪に覆われた幻想的な景色が広がります。
また、豊富な自然環境を誇るこの地では、さまざまな動植物が生息しています。特別天然記念物のニホンカモシカをはじめ、モリアオガエルやルリイトトンボなど、珍しい高山生物にも出会うことができます。野鳥観察や植物観察を目的に訪れる自然愛好家にも人気のエリアです。
春には新緑が芽吹き、湿原や池の周囲ではミズバショウやミツガシワなどの花が咲き誇ります。夏は平均気温が低く、避暑地として最適です。ハイキングやキャンプ、サイクリングを楽しむ人々でにぎわいます。
秋になるとカラマツやナナカマドが鮮やかに色づき、高原全体が紅葉に包まれます。鈴蘭橋周辺は特に紅葉の名所として知られ、写真愛好家にも人気です。
冬は一面の雪景色となり、スキーやスノーボード、スノーシューなどのウィンタースポーツが楽しめます。かつてのスキーブーム時代ほどのにぎわいではありませんが、上質な雪と自然環境の良さから、今も多くの愛好者に支持されています。
「日本の滝100選」にも選ばれる名瀑。三方向から水が流れ落ちる独特の景観が特徴で、迫力ある水音が森に響き渡ります。
落差40メートルを誇る番所大滝、端正な姿が美しい善五郎の滝はいずれも「乗鞍三滝」に数えられます。豊かな水量と清冽な流れは、火山地形が生んだ自然の芸術といえるでしょう。
乗鞍高原を代表する美しい池で、標高1,580メートルの地点に位置しています。池の東岸からは乗鞍岳の全景を望むことができ、湖面には鏡のように山が映り込む「逆さ乗鞍」の光景が見られます。原生林に囲まれた静かな環境にあり、ミズバショウやミツガシワの群生、サンショウウオなどの生息も確認されるなど、自然観察にも最適です。5月下旬から6月上旬にかけては、白く咲き誇るミズバショウが訪れる人々の目を楽しませます。
高原散策の拠点となるエリアで、多彩な遊歩道コースが整備されています。「善五郎の滝・牛留池コース」「番所大滝・千間淵周遊コース」「伝説めぐりコース」などがあり、初心者から家族連れまで楽しめます。
乗鞍高原には複数の温泉が湧出しており、「乗鞍三湯」と呼ばれる乗鞍高原温泉・すずらん温泉・安曇乗鞍温泉が点在しています。中でも標高約1,600メートルに位置する「休暇村乗鞍高原」の天峰の湯は、地下1,300メートルから湧き出す名湯。露天風呂からは北アルプスの雄大な山並みを望み、新緑、紅葉、雪景色と四季折々の景色を楽しみながら心身を癒すことができます。
乗鞍高原では、四季を通じて豊富なアクティビティを楽しむことができます。春から秋にかけてはトレッキングやサイクリング、キャンプが人気です。特に「白樺の小径」や「せせらぎの小径」などの遊歩道は整備が行き届き、初心者でも安心して自然散策を楽しめます。
運が良ければ、特別天然記念物のニホンカモシカに出会えることもあります。豊かな森と清流が、多様な動植物の命を育んでいます。
冬はスキーやスノーボードのシーズン。標高が高く雪質の良いMt.乗鞍スキーリゾートやいがやスキー場では、初心者から上級者まで楽しめるコースが揃っています。また、スノーシュー体験や氷瀑(凍った滝)の観賞など、冬ならではの魅力も充実しています。
乗鞍高原は、乗鞍岳から東側へ流れ出した溶岩流、特に番所溶岩によって形成された東西に細長い山麓高原です。標高差は東端約1,100メートルから西端約1,800メートルまであり、全域が松本市安曇地区に属しています。高標高側の一部は中部山岳国立公園にも含まれ、豊かな自然環境が守られています。
この溶岩台地の上に広がる高原には、清流や滝、池、湿原など多様な自然景観が点在し、訪れる人々に変化に富んだ景色を見せてくれます。夏でも爽やかな風が吹き渡り、都市部とは別世界のような清涼感を味わうことができます。
乗鞍岳は古くから信仰の山として崇められ、修験者たちが修行を行った霊山でもありました。江戸時代には温泉地としても知られるようになり、湯治場として多くの人々が訪れるようになります。現在も高原内には歴史ある温泉宿が点在し、往時の面影を今に伝えています。
現在の乗鞍高原には7つの集落があり、観光業を中心とした地域づくりが進められてきました。ペンション、民宿、旅館、ユースホステル、国民宿舎など100以上の宿泊施設があり、レストランやそば店、お土産店、レンタルスキー店なども充実しています。地域住民の多くが観光産業に携わり、訪れる人々を温かく迎えています。
公共交通機関では、松本電鉄上高地線の終点・新島々駅から路線バスが運行されています。東京・横浜方面からは季節運行の直行バスも利用可能です。車の場合は長野自動車道松本ICから国道158号を経由してアクセスできます。
なお、乗鞍岳方面へ向かう県道乗鞍岳線(エコーライン)は環境保護のため一般車両の通行が規制されており、乗鞍高原内の駐車場からシャトルバスやタクシーに乗り換える仕組みとなっています。1997年に安房トンネルが開通したことで、岐阜県高山市側とのアクセスも大きく向上しました。
乗鞍高原は、火山が生み出した壮大な地形と、長い歴史、そして人々の温かなおもてなしが融合した山岳リゾートです。夏は涼やかな避暑地として、秋は紅葉の名所として、冬は雪の楽園として、多彩な魅力を備えています。
豊かな自然と温泉、アクティビティに恵まれたこの地は、訪れるたびに新たな発見と感動を与えてくれるでしょう。北アルプスの雄大な景色に包まれながら、心ほどけるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
松本ICから車で60分[45km]
松本電鉄上高地線新島々駅からバスで54分