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湯俣温泉

(ゆまた おんせん)

湯俣温泉は、長野県大町市平湯俣の高瀬渓谷に位置する秘湯で、北アルプスの大自然に抱かれた温泉地です。高瀬川沿いに広がる湯俣は、槍ヶ岳や鷲羽岳などの名峰を望むことができる場所であり、登山客や自然愛好家にとって魅力あふれる拠点となっています。温泉地には、右岸側に湯俣山荘、左岸側に晴嵐荘が建ち、山小屋としての役割も果たしています。

温泉の魅力

自然が生み出す野湯

湯俣の名は、その地に豊かに湧き出す温泉に由来しています。河原を掘れば温泉が湧き出し、即席の露天風呂を楽しむことができるというのが最大の特徴です。自然と一体化した野湯は、都会では決して味わえない体験を提供してくれます。また、噴湯丘の付近には手作りの露天風呂があり、旅人や登山者の疲れを癒しています。

晴嵐荘の内湯

より落ち着いた環境で温泉を楽しみたい方には、晴嵐荘に備えられた内湯もおすすめです。山小屋の素朴な雰囲気の中で浸かる温泉は、登山や長時間の歩行で疲れた身体にやさしく染み渡ります。

見どころ

高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石

晴嵐荘から湯俣川の上流へ徒歩16分の場所には、「高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石」があります。これは1922年に国の地質・鉱物天然記念物に指定された貴重な地形で、自然が長い年月をかけて生み出した奇観を目にすることができます。温泉と合わせて訪れることで、湯俣の大自然をより深く堪能できます。

登山の拠点としての湯俣

湯俣は温泉地であると同時に、北アルプス登山の重要な拠点でもあります。槍ヶ岳や野口五郎岳、三俣蓮華岳へと続く登山道が伸び、多くの登山者に利用されています。

竹村新道

竹村新道は、湯俣から野口五郎岳方面へと続く登山道で、槍ヶ岳北面へのアクセスルートとしても知られています。唯一整備された一般登山道ですが、急な登りや崩落したガレ場など険しい箇所も多く、体力と経験を要します。

北鎌尾根ルート

湯俣から水俣川沿いを進むと、千丈沢と天丈沢の合流点である千天出合に到達し、そこから北鎌尾根に取り付くことができます。ただし、このルートは正規の登山道ではなく、吊橋の崩壊などにより整備の痕跡はほとんど残っていません。湯俣から千天出合までの道程は非常に困難で、熟練者向けのチャレンジルートとされています。

伊藤新道

伊藤新道は、湯俣から湯俣川沿いを経て三俣山荘に至る登山道です。1956年に山小屋経営者・伊藤正一によって開かれ、かつては雲ノ平山荘や三俣山荘への重要な補給路として利用されていました。しかし、1980年代に吊橋が次々と崩壊し、長らく利用困難な状態が続いていました。

2021年に第1吊橋が新設され、さらに2023年には上流の不通区間も整備されました。これにより40年ぶりに通行可能となりましたが、依然として一部区間では徒渉が必要で、ルートファインディング能力が求められる上級者向けの登山道です。

アクセス

七倉ダムからのルート

大町市街地から長野県道326号を経由し、七倉ダムの先にある七倉山荘を目指します。七倉山荘から先は東京電力の管理道路となり、一般車の通行はできません。そのため、ここから特定タクシーを利用するか、徒歩で高瀬ダムまで約1時間30分歩く必要があります。

高瀬ダムから湯俣温泉へ

高瀬ダムから名無避難小屋までは徒歩約1時間30分、さらにそこから湯俣温泉の晴嵐荘まで徒歩約1時間です。距離は約10km、標高差150mと大きなアップダウンはありませんが、長時間の徒歩が必要となります。

まとめ

湯俣温泉は、北アルプスの大自然に抱かれた秘湯であり、野趣あふれる露天風呂や山小屋の内湯、さらには国指定天然記念物の噴湯丘といった見どころを有する特別な場所です。加えて、槍ヶ岳や三俣蓮華岳への登山拠点としても重要な役割を果たしています。アクセスは容易ではありませんが、その分訪れる人々にとっては深い感動と充実した体験をもたらしてくれるでしょう。静けさに包まれた山の温泉で、日常を忘れるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
湯俣温泉
(ゆまた おんせん)

安曇野・白馬

長野県