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大和田神社(長野県松川村)

(おおわだ じんじゃ)

大和田神社は、長野県北安曇郡松川村に鎮座する由緒ある神社です。豊かな自然に囲まれた静かな杉林の中に位置し、古くから村人の信仰を集めてきました。村の人口のおよそ半数が氏子であるといわれ、松川村の人々にとって欠かせない存在となっています。

大和田神社の歴史

大和田神社の創建年代については明らかではありません。しかし、古文書にはその存在を示す記録が残されています。最古の記録は、1580年(天正8年)の松川道文願文(大和田賢一家文書)に登場する「大明神」という記述です。これが大和田神社に関する最初の史料とされています。

その後、1926年(大正15年)には雨引山山頂に奥社が分霊創建されました。社殿や付属建物は度重なる火災で失われ、その都度再建されてきましたが、1974年(昭和49年)4月の火災では本殿、幣殿、拝殿などすべての建物を焼失してしまいました。しかし、地域の人々の力によって翌1975年(昭和50年)には再建が果たされ、現在の姿へと受け継がれています。

境内の見どころ

本殿

大和田神社の本殿は三間社流造銅板葺で、間口一間五尺、奥行二間の規模を誇ります。流造は日本の神社建築における代表的な様式で、優雅な屋根の反りが特徴です。

幣殿

幣殿は瓦葺で、間口二間三尺、奥行二間三尺の大きさです。祭礼の際に神前に供物を捧げる重要な役割を果たしています。

拝殿

拝殿は破風造瓦葺で、間口五間三尺、奥行一間三尺となっており、参拝者が神前に祈りを捧げる場として設けられています。

郡内最大規模の神楽殿

大和田神社の大きな特色は、神楽殿の存在です。これは祭神に舞楽を奉納するために建造された建物で、村内では細野神社や有明山社にも存在しますが、大和田神社のものは郡内最大規模とされています。

神楽殿は桁行11メートル、梁間8.5メートル、高さ8メートルの二階建てで、天井裏の棟木には「慶応元年造之」と墨書されており、江戸時代に建てられた貴重な遺構です。一階部分は全面板張りの舞台で、前方両袖には太夫座があり、東西南北に開放されています。二階は正面が板壁、背面には竪格子窓が設けられ、舞台を上から見下ろせる造りとなっています。

この神楽殿は、地元の大工や彫師によって建てられました。棟札には、大工棟梁浅原勝蔵をはじめ、松川村や板取村の人々の名前が記され、彫師だけが池田町の森代八であったことが分かっています。南向きの本殿に対して神楽殿は北向きに配置され、その間に広い空間が取られているのは、幕末から明治初期にかけて盛んだった地芝居を上演するための観覧席を確保するためでした。

戦後も神楽殿は、青年団活動の場として芝居などが上演され、娯楽施設が乏しかった村において、舞楽奉納以外にも大きな役割を担っていました。地域の文化と生活を支えてきた重要な建物といえます。

例大祭と奉納行事

大和田神社の例大祭は、村の人々にとって一年の大きな行事です。大祭当日には神職3人による祭事が午後2時から始まり、その後には様々な奉納行事が行われます。

これらの行事は、地域の人々の心をひとつにし、伝統文化を次の世代へと受け継ぐ大切な機会となっています。

交通アクセス

大和田神社へのアクセスは、JR大糸線「信濃松川駅」から直線距離で約2キロメートルです。徒歩や自転車でも訪れることができ、自然豊かな松川村の風景を楽しみながら参拝することができます。

まとめ

大和田神社は、長い歴史を持ちながらも地域の人々と共に歩み続けてきた神社です。再建を繰り返しながらも大切に守られてきた社殿、郡内最大規模を誇る神楽殿、そして地域に根ざした例大祭など、見どころと魅力に溢れています。松川村を訪れる際には、ぜひ大和田神社を参拝し、その歴史と文化の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
大和田神社(長野県松川村)
(おおわだ じんじゃ)

安曇野・白馬

長野県