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竹ノ内家住宅(高森町)

(たけのうちけ じゅうたく)

竹ノ内家住宅は、長野県下伊那郡高森町吉田に残る江戸時代の歴史的民家で、昭和48年(1973年)に国の重要文化財に指定された貴重な建造物です。天竜川を望む段丘の上に建ち、代々この地で暮らし続けてきた旧家として、長く地域の歴史と文化を伝えてきました。その建築は当時の生活様式を色濃く反映し、現在でも地元の歴史を感じられる観光スポットとして親しまれています。

江戸時代後期に建てられた本棟造の民家

竹ノ内家住宅の建築は、正面の棟束の内側に残されていた棟札によって、寛政11年(1799年)であることが確認されています。本棟造の伝統的な民家で、間口七間半、奥行八間という堂々とした規模を誇ります。正面の妻梁が住まいの幅いっぱいに通り、座敷部分はその梁より五尺奥まって土庇となる独特の構造が特徴です。

美しい外観と意匠の特色

建物は切妻造りの妻入りで、板葺き屋根に加え、白壁で仕上げられた妻壁が美しい景観をつくり出しています。外観の大きな特徴として、二階部分を張り出して一階に土庇を設ける形式が挙げられ、これは下伊那地方に古くから見られる伝統的なスタイルです。また、間口全幅に通された太い虹梁や、出格子窓のない二階の造りなど、随所に江戸時代の建築技術の粋が見て取れます。

内部構造と暮らしの工夫

内部を復原すると、土間が建物の奥まで伸び、中央に居間(ヨコザ・ナカノマ)、表側に客座敷二室、裏側に家族が使う居室三室が配置される、典型的な江戸後期の民家の姿がうかがえます。また、構造面では屋根裏の空間が広く取られ、養蚕に利用できるよう工夫されている点が特徴的です。

竹ノ内家の歴史と受け継がれてきた暮らし

竹ノ内家は代々この地で暮らしてきた家系で、建築当時の施主は中塚八左衛門と伝えられています。後に地名にちなみ竹ノ内姓となり、現在も15代目の当主が家屋を守り続けています。昭和初期までは、住まいの中で年3〜4回の養蚕が行われていた記録もあり、当時の農村の生活文化を今に伝えています。

修繕と保存活動の歩み

建物は時代の変化とともに幾度も修繕や改築が行われてきました。昭和5年の屋根葺き替えをはじめ、昭和55年には石置板屋根に復元され、平成期に入っても数度の屋根の全面葺き替え工事が実施されています。特に2009年の工事では、美しいサワラ材が使用され、伝統的な技法が丁寧に受け継がれました。

重要文化財としての価値

竹ノ内家住宅が国の重要文化財に指定された理由は、建築年代が棟札により明確であること、構造の保存状態が極めて良いこと、そして本棟造の典型的な形式を伝える貴重な遺構である点にあります。また、現役の住まいとして長く使われ続け、伝統的民家の生活文化が今も息づいている点も高く評価されています。

訪れる価値のある歴史遺産

竹ノ内家住宅は、江戸時代の生活様式や建築技術を現在に伝える貴重な文化財として、歴史と建築に関心のある方に特におすすめの観光スポットです。静かな里山の風景の中で、往時の暮らしを偲びながらじっくり見学できる魅力あふれる場所です。

Information

名称
竹ノ内家住宅(高森町)
(たけのうちけ じゅうたく)

阿智村・飯田

長野県