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信濃比叡 広拯院

(しなの ひえい こうじょういん)

信濃比叡 広拯院は、長野県阿智村智里園原に位置する天台宗の寺院です。 古来より旅人の安全と心の安らぎの場として親しまれてきた歴史深い寺院で、本尊には薬師瑠璃光如来が安置されています。 周囲には古代東山道最大の難所とされた神坂峠があり、古代から中世にかけては和歌にも詠まれた景勝地「園原」を含む風雅な地域として知られています。

歴史と由来

この寺の起源は、弘仁8年(817年)に遡ります。東国巡錫の旅にあった伝教大師・最澄が神坂峠を越える際、急峻で過酷な道のりに難儀されたと伝わります。 その経験から、往来する人々の便宜を図るために、美濃側には「広済院」、信濃側には「広拯院」の布施屋を建立したとされています。 この出来事は『叡山大師伝』にも記されており、信濃比叡広拯院の大切な起源となっています。

布施屋の跡地には「月見堂」が建てられ、文政年間に再建された建物が現在も残っています。 また、昭和3年には善光寺大僧正や各地の高僧が遺跡の調査を行い、寺院の位置などが明らかになりました。 その後、平成に入り寺院の再興が進み、平成17年(2005年)には根本中堂や鐘楼が建立され、正式に信濃比叡広拯院として復興開山しました。 比叡山延暦寺に灯り続ける「不滅の法灯」も分灯され、現在の寺院の精神的支柱となっています。

境内の見どころ

根本中堂

平成17年に建立された本堂で、本尊の薬師瑠璃光如来が祀られています。 内部には延暦寺から分灯された不滅の法灯が輝き、荘厳で神聖な雰囲気を醸し出しています。

山門・鐘楼

山門は平成28年に建立された新しい建造物で、伝教大師東国巡錫1200年を記念するものです。 鐘楼は平成17年の建立で、鐘には大師直筆と伝わる山家学生式が刻まれています。

月見堂と如来堂

「月見堂」は広拯院の跡地に建てられたもので、かつて文人たちがここで月を愛でたことからその名が付けられました。 また、「如来堂」には善光寺如来と千手観音菩薩が祀られ、参拝者の心を静かに包み込む神聖な空間が広がっています。

その他の見どころ

境内には坐禅や写経の体験ができる止観精舎禅林堂、白蛇の宿る岩として知られる蛇紋岩、さらに平成8年に建立された伝教大師像など、多くの見どころが点在します。 千体地蔵が並ぶ賽の河原も訪れる人々の心を慰める場所として人気があります。

開催される行事

大火生三昧(火渡り護摩)

毎年2月11日に行われる行事で、護摩を焚いた後の燠の上を裸足で渡り、無病息災や招福を祈願します。 迫力ある儀式として多くの参拝者が訪れます。

風笛の盆~妙見星まつりと千灯供養

8月第4週の週末に開催されます。本堂にて星の仏「妙見菩薩」を本尊とした祈願が行われ、夜には千体地蔵に灯りがともされ幻想的な光景が広がります。

白蛇縁日

9月の秋彼岸頃に行われ、蛇紋岩に宿るとされる白蛇にちなむ縁日として知られています。

アクセス

JR飯田線・飯田駅から車で約40分、中央自動車道の飯田山本ICからは車で約25分、名古屋方面からは園原ICより車で約5分と便利な立地にあります。 周辺には園原、神坂神社、富士見台高原、ヘブンスそのはらなどの見どころも多く、併せて訪れるのに最適です。

Information

名称
信濃比叡 広拯院
(しなの ひえい こうじょういん)

阿智村・飯田

長野県