アテビ平小鳥の森は、長野県下伊那郡売木村に位置し、天竜奥三河国定公園の一部として豊かな自然を残す貴重なエリアです。茶臼山の東山麓に広がる約60ヘクタールの森は、多様な動植物が息づく二次原生林として知られ、訪れる人に静寂と癒しを与えてくれます。
標高約1200メートルに位置するこの森には、約4kmの遊歩道が整備されており、四季折々の自然観察を楽しむことができます。原生林にはクロベを中心とした針葉樹が茂り、林床にはミズゴケの群落が広がるなど、湿潤な環境が保たれています。
園内では、ザゼンソウやミズバショウといった湿地の植物が春を彩り、マンサク、チチブドウダン、セリバシオガマなど、多種類の植物が来訪者の目を楽しませます。また、野鳥の宝庫としても知られ、コマドリ、オオルリ、キビタキ、エナガをはじめとする多くの鳥類が生息しており、バードウォッチングにも最適です。
秋には針葉樹の深い緑と広葉樹の紅葉が見事なコントラストを見せ、11月頃には植林されたカラマツが黄金色に輝くなど、季節ごとの魅力が溢れる森です。1980年に長野県から「小鳥の森」として指定されて以降、観察路や管理棟が整備され、より多くの人が自然と触れ合える場所として親しまれています。
静かな森の中で、豊かな自然と野鳥のさえずりを感じながらの散策は、日常を忘れさせてくれる特別なひとときとなるでしょう。