飯田市立動物園は、長野県飯田市にある市立の動物園で、自然豊かな南信州の地に1953年(昭和28年)5月5日に開園しました。飯田市のシンボルでもある「りんご並木」の南端に位置し、街の中心部からも徒歩でアクセスできる親しみやすいロケーションにあります。入園料は無料でありながら、多彩な動物たちとふれあえる点が魅力で、地域の人々や観光客に長く愛され続けている動物園です。
飯田市立動物園は、広大な敷地を持つ都市型動物園とは異なり、約60種類の動物をコンパクトに展示している小さな動物園です。しかし、その規模の中に、子どもから大人まで楽しめる工夫が詰まっています。
園内では、フンボルトペンギンやパルマワラビーといった可愛らしい動物をはじめ、長野県内ではここでしか見ることができない珍しい動物、アンデスコンドルやミーアキャットも飼育されています。さらに、アルパカやカピバラなど、人気の高い癒し系動物たちとも間近でふれあうことができます。
また、動物との距離が近いのもこの動物園の特徴で、エサやり体験などのふれあいイベントが充実しています。動物たちの食事の様子を間近で観察できるため、子どもたちにとっては生き物の命を学ぶ貴重な体験の場にもなっています。
飯田市立動物園には、豆汽車「弁慶四世号」と呼ばれる小さな列車が園内を走っており、子どもたちに大人気です。この豆汽車は開園当初から長年にわたり運行されており、世代を超えて多くの人に親しまれてきました。その他にも、バッテリーカーなどの遊具が設置されており、動物を見るだけでなく遊びながら楽しむことができます。
園内は小さな子ども連れの家族でも安心して回れるコンパクトな設計で、ベビーカーでの散策もスムーズに行えます。そのため、週末や連休には家族連れで賑わい、地元の人々の憩いの場となっています。
園内では、鳥類や哺乳類、爬虫類など、多様な動物たちに出会えます。代表的な動物としては、フラミンゴ(ヨーロッパフラミンゴ・コフラミンゴ)、ニホンカモシカ、ニホンザル、ポニー、ヒツジなどがいます。また、アメリカビーバーやチンチラといった可愛い小動物、マダガスカルゴキブリのような珍しい昆虫類も飼育されています。
その中でも注目を集めているのが、長野県内で唯一飼育されているアンデスコンドルです。翼を広げると3メートルにも達する巨大な鳥で、迫力ある姿は一見の価値があります。
飯田市立動物園では、季節ごとにさまざまな表情が楽しめます。春は園内の花々が咲き誇り、初夏には新緑に包まれた穏やかな雰囲気、秋には周囲の紅葉が美しく色づきます。さらに、年に数回開催される「ナイトズー」では、夜行性の動物たちが活発に動く様子を観察することができ、昼間とは違った魅力を体験できます。
飯田市立動物園は、交通アクセスも良好です。JR飯田線「飯田駅」から徒歩約15分で到着でき、観光の合間にも立ち寄りやすい立地です。車で訪れる場合は、中央自動車道「飯田インターチェンジ」から約15分でアクセス可能です。隣接する市営扇町駐車場は120分まで無料で利用でき、その後は30分ごとに100円の料金が加算されます。
開園時間は午前9時から午後4時30分までで、毎週月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始が休園日となっています。入園料は無料のため、気軽に訪れることができるのも嬉しいポイントです。
動物園を訪れた後は、すぐ近くにある「りんご並木」の散策もおすすめです。りんご並木は、かつて飯田市を襲った大火の復興の象徴として整備されたもので、約400メートルにわたってリンゴの木が植えられています。春には花が咲き誇り、秋には実をつけ、飯田のまちを彩ります。
この並木は、「日本の道100選」や「かおり風景100選」にも選ばれており、観光客や地元住民にとって癒しの散歩道となっています。りんご並木沿いにはベンチやモニュメントが設置されており、のんびりとした時間を過ごすことができます。
飯田市立動物園は、小さくても心のこもった温かい動物園です。動物たちとの距離が近く、四季折々の自然とふれあえるこの場所は、子どもたちの学びの場であり、大人にとっても心安らぐひとときとなるでしょう。りんご並木とともに、飯田のやさしさとぬくもりを感じられる観光スポットとして、訪れる人々に穏やかな感動を与えています。