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園原(阿智村 園原地区)

(そのはら)

古代文学と伝説が息づく山里

園原は、長野県下伊那郡阿智村智里に位置する歴史豊かな地域で、古代から中世にかけて多くの和歌に詠まれた「歌枕」の地として知られています。長野県歌『信濃の国』にも「尋ねまほしき園原や」と歌われるほど、その名は古くから広く人々に親しまれてきました。現在では、文学・歴史・自然が融合した観光地として注目を集めています。

園原の歴史と古代東山道

園原は恵那山の東山麓に位置し、古代の官道である東山道の要衝として栄えました。特に、美濃と信濃の境にある神坂峠(標高1576m)は、東山道最大の難所とされ、旅人が命がけで越えた峠として多数の伝承や文学に残されています。

峠越えを果たし、畿内から東国へ入る最初の地がこの園原であったため、旅人たちはこの地を象徴的に捉え、和歌や物語の題材として広く詠んできました。『万葉集』、『新古今和歌集』、『源氏物語』などにも園原やその周辺の情景が登場し、日本文学の舞台としても重要な役割を担っています。

文学に描かれた園原 ― 帚木・伏屋の伝承

園原周辺には、和歌の象徴ともいえる帚木(ははきぎ)伝説があります。遠くから見ると帚のような姿をした木が、近づくと消えて見えるという不思議な現象が語り継がれ、坂上是則をはじめ多くの歌人がその不可思議さを詠みました。

また、旅の宿りとして知られる伏屋(ふせや)の伝承も広く残され、最澄(伝教大師)が神坂峠越えの旅の難儀を憂い、旅人救済のために広拯院・広済院を設けたと伝えられています。

園原に残る名所・旧跡

神坂神社

園原の山の上部に鎮座し、海神である住吉三神を祀る由緒正しき神社です。古代より峠越えの安全を祈願する場所として、旅人が多く参拝しました。

暮白の滝

日暮れ時に白く浮かび上がる神秘的な滝で、展望台からは南アルプスを一望できます。園原を代表する自然美のひとつです。

駒つなぎの桜

源義経が馬を繋いだという伝承をもつ一本桜で、4月下旬に美しい花を咲かせます。長い年月を経た老木であり、歴史を感じる名木です。

文化を語る多くの碑文

園原には多くの文学碑が点在し、訪れる人に古代から続く風土と文化を感じさせてくれます。『万葉集』防人歌碑、『東歌碑』、『源氏物語』帚木の歌碑、さらには坂上是則や源仲正など歴代の歌人の作品が彫られた碑が整備され、園原を象徴する文化景観となっています。

現代に息づく園原 ― 観光と自然体験

ヘブンスそのはら

標高1400mへ向かう全長2500mのロープウェイが名物で、「日本一星空がきれいな場所」として知られる富士見台高原への玄関口です。山頂では夜になると照明が消され、満天の星が手に届きそうなほど輝き、訪れる人々を魅了します。

園原ビジターセンター はゝき木館

園原の歴史・文学・自然を学べる施設として2008年に開設。散策や観光の拠点として多くの人々に利用されています。

Information

名称
園原(阿智村 園原地区)
(そのはら)

阿智村・飯田

長野県