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山村代官屋敷・福島関所

(やまむら だいかん やしき ふくしま せきしょ)

木曽町の歴史を伝える史跡

江戸時代の面影を残す木曽町の文化遺産

長野県木曽郡木曽町には、江戸時代の木曽谷を治めた山村家にゆかりのある山村代官屋敷や、交通の要衝として栄えた福島関所など、歴史の息吹を今に伝える貴重な史跡が数多く残されています。これらの史跡は、当時の木曽谷における政治や交通の中心地としての役割を知る上で、非常に重要な文化財となっています。

山村代官屋敷 ― 木曽の治政を担った山村家の旧邸

山村家と木曽代官の歴史

山村代官屋敷は、木曽町福島にある史跡で、江戸時代には尾張藩の重臣であった山村家が代々木曽代官を務めていました。山村家はもともと木曽氏の一族であり、初代・山村良勝は関ヶ原の戦いで東軍に属して武功を挙げた人物です。その後、家康の信頼を得て旗本として仕え、福島関所の関守も兼ねていました。

しかし元和元年(1615年)、木曽一帯が尾張藩の直轄地となると、山村家は幕府の旗本ではなく尾張藩の代官として木曽の統治を任されることとなりました。この体制は明治維新まで続き、約250年にわたり木曽谷の行政を司りました。

屋敷と庭園の見どころ

現在の建物は享保8年(1723年)に再建されたもので、木造平屋建ての荘厳な造りが特徴です。広さは約373平方メートルあり、当時の代官の暮らしぶりや格式の高さを偲ばせます。敷地内には、木曽駒ヶ岳永田山を借景とする美しい池泉回遊式庭園が整えられ、四季折々の風情を楽しむことができます。

この屋敷は元々、山村家の「御下屋敷」の一部でしたが、昭和42年(1967年)に木曽福島町(現・木曽町)が山村家から譲り受け、昭和46年(1971年)に史跡として一般公開されました。建物内には山村家に伝わる古文書や美術資料、文学作品などが展示され、木曽の文化と歴史を学ぶことができます。

見学案内

開館時間は8時30分から16時30分までで、12月から3月の毎週木曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始が休館日です。木曽町を訪れる際には、江戸時代の木曽支配の拠点として栄えたこの屋敷で、当時の代官の暮らしや木曽谷の政治の歴史を体感してみてはいかがでしょうか。

福島関所 ― 中山道を守った木曽の要地

中山道の要衝に築かれた関所

福島関所は、中山道の木曽路に設けられた関所の一つで、現在の木曽町福島に位置します。関所の設置時期については諸説ありますが、慶長年間(1602~1604年)頃には存在していたとされます。木曽谷の中央部、木曽川沿いの険しい地形に築かれたこの関所は、東海道の「箱根関所」や「今切関所」と並ぶほどの厳重な取り締まりが行われていました。

「入鉄砲出女」の厳しい取締り

福島関所では特に「入鉄砲出女(いりてっぽうでおんな)」と呼ばれる厳しい検問が実施されていました。これは、江戸への武器の持ち込み(入鉄砲)や、江戸から女性が無断で出ること(出女)を厳しく取り締まる制度で、当時の江戸幕府の治安維持政策を象徴するものです。関所の管理は山村家が担い、木曽の代官としての責務の一つでもありました。

関所跡と資料館

現在の福島関所跡は、発掘調査によって番所や門、塀などの配置が明らかになり、昭和54年(1979年)に国の史跡に指定されました。隣接する福島関所資料館では、当時の関所の様子や制度、山村家による管理の記録などが展示されています。館内には関所の復元模型や古文書などが並び、江戸時代の交通政策を学ぶことができます。

歴史を歩く木曽福島の町並み

関所跡周辺には、かつての中山道・福島宿の面影を残す町並みが広がり、伝統的な木造家屋や石畳の道が当時の旅人の足跡を今に伝えています。山村代官屋敷とあわせて訪れることで、江戸時代の木曽谷の姿をより深く感じ取ることができるでしょう。

歴史と自然が息づく木曽の旅へ

山村代官屋敷と福島関所は、いずれも木曽町の歴史を象徴する二大史跡です。どちらも木曽の自然に囲まれた落ち着いた環境にあり、訪れる人々に静かな感動を与えてくれます。木曽谷を歩けば、江戸の往来とともに生きた人々の歴史が今も息づいていることを感じられるでしょう。

Information

名称
山村代官屋敷・福島関所
(やまむら だいかん やしき ふくしま せきしょ)

木曽・妻籠

長野県