朴葉の殺菌力を生かし、木曽谷と下伊那南部の山村では、朴葉飯、朴葉強飯、朴葉結び、朴葉寿司、朴葉巻などがつくられた。作る家庭は少なくなったが、朴葉巻・朴葉餅は端午の節供の行事食として伝承され、木曽路の菓子屋さんでその時期に製造販売されている。
深い山々で育まれた伝統のお菓子!ちまき、柏餅に並ぶ「朴葉巻」
お餅で餡を包み、朴葉でくるんで蒸しあげた和菓子。蒸し上げることで朴葉の芳しい香りがお餅に移り、朴葉の抗菌作用により日持ちの良いことが特徴だ。餡はつぶ餡をはじめ、こし餡、みそくるみ餡など存在する。ひと口かじると、素朴な味わいと山の香りがひろがる。
【歴史・由来】
木曽谷と下伊那南部の山村を中心に、一帯に自生する朴葉の殺菌力を生かした食文化が育まれてきた。朴葉飯、朴葉結び、朴葉寿司、朴葉巻などだ。朴葉巻は行事食として伝承されてきた。朴葉は火にも強いことから、飛騨高山の郷土料理として知られる「朴葉味噌(ほおばみそ)」などにも使われている。
【食べるシーン】
端午の節句のお菓子。5月~7月頃のみにつくられる季節のお菓子。
【作り方】
・上新粉や薄力粉に塩を加え、熱湯で練り餅の生地をつくる。
・生地をのばして餡を包み、さらに朴葉で丁寧に包み、蒸し器で蒸す。
【提供店】
木曽地方を中心とした和菓子屋。
【豆知識】
朴葉に柔軟性がないとお餅を包みづらいため、朴葉が大きくなる5月から7月までの若葉の時期につくられる。