王滝村は、長野県の南西部、木曽郡に属する山あいの美しい村です。雄大な御嶽山(おんたけさん)のふもとに位置し、古くから御嶽信仰の聖地として多くの人々が訪れてきました。四季折々の自然の恵みと、かつて栄えた林業の歴史、そして静かな信仰文化が調和するこの村は、訪れる人々に深い感動と安らぎを与えてくれます。
王滝村は長野県の南西部に位置し、西側は岐阜県と接しています。村の北部には霊峰・御嶽山がそびえ、標高3,067メートルの雄姿は圧倒的な存在感を放ちます。村の中心を流れる王滝川は、木曽川の源流のひとつであり、古くから人々の生活と文化を支えてきました。
かつて王滝村は林業の村として知られ、特に「木曽ヒノキ」は日本三大美林のひとつに数えられています。江戸時代には木材伐採が厳しく管理され、良質なヒノキは主に伊勢神宮の建築材として使用されてきました。昭和の初期には伐採した木材を筏に組み、川を使って下流の上松町まで運ぶ「水運」が行われていましたが、ダム建設により水運が途絶えた後は、木曽森林鉄道が整備され、木材輸送の中心となりました。
村の象徴である御嶽山は、古くから信仰の山として知られています。山のふもとには、登山や自然体験を楽しめる施設が数多く整備されています。
村内には美しいダム湖が点在し、自然と人工の調和が感じられます。三浦ダムや牧尾ダムでは、四季折々の景観が楽しめ、特に紅葉シーズンには鮮やかな色彩が湖面を彩ります。
松原スポーツ公園はスポーツ施設のほか、かつて村を支えた木曽森林鉄道の車両が動態保存されており、レールや車庫も見学できます。懐かしい鉄道の音とともに、昭和の林業の風景が甦ります。
夏季限定で行われる「モンゴル乗馬ノーサイド王滝」では、木曽駒や道産子の乗馬体験が楽しめます。雄大な自然の中で馬とふれあう貴重な体験は、多くの観光客に人気です。
王滝村は御嶽信仰の中心地の一つとして知られています。特に木曽御嶽神社王滝口は、全国の御嶽講信者が参拝に訪れる重要な霊場です。また、八海山神社や鳳泉寺なども静かな雰囲気の中で、心を清める場所として親しまれています。
自然豊かな王滝村では、地元の素材を生かした伝統の味覚も魅力です。健康によい薬草「百草」や「百草丸」、小豆餡の餅を朴の葉で包んだ「朴葉巻き」、そして木曽地方の冬の保存食「すんき漬け」などが知られています。また、地元産の蕎麦を使った「すんきそば」や、独特の風味を持つ「王滝かぶ」も人気です。
御岳スカイラインは、標高約900メートルの御岳湖から標高2,180メートルの田の原記念公園へと続く全長17.2kmの山岳道路です。かつては有料の林道でしたが、現在は無料開放されており、ドライブやサイクリングで気軽に楽しむことができます。つづら折れのワインディングロードを登るにつれ、御嶽山の雄姿や中央アルプスの山並みが見渡せ、まさに天空の道とも呼ぶべき絶景ルートです。なお、冬季は11月下旬から4月下旬まで通行止めとなります。
王滝村は、霊峰御嶽山のふもとで自然と信仰、そして人々の営みが織りなす美しい山村です。歴史ある林業文化や御嶽信仰、四季折々の風景が調和し、訪れる人に深い癒しと発見を与えてくれます。都会の喧騒を離れ、静けさと荘厳さに包まれた王滝村で、心に残る旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。