軽井沢タリアセンは、長野県北佐久郡軽井沢町の南部に位置し、美術館、歴史的建築物、レジャー施設、レストラン、ガーデンなどを備えた総合リゾート施設です。その中心には、江戸時代に開削された鷲穴用水を利用して1961年に造られた人造湖「塩沢湖」が広がり、周囲の緑豊かな自然とともに、訪れる人々に静かな感動を与えます。
塩沢湖はもともとスケート場として利用されていましたが、1971年に「塩沢遊園」として整備され、その後1983年には「塩沢湖レイクランド」に改称。1986年のリニューアルを経て、1996年には現在の名称「軽井沢タリアセン」として新たにスタートしました。
「タリアセン(Taliesin)」とは、古代ケルト神話に登場する詩人・妖精「タリエシン」に由来し、ウェールズ語で「輝く額」という意味を持ちます。また、この名前はアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが主宰した芸術的共同体の名称でもあります。
1985年に開館した軽井沢高原文庫では、堀辰雄、室生犀星、芥川龍之介、立原道造といった軽井沢に縁のある文学者の貴重な資料や直筆原稿が展示されています。文学ファンにとっては必見の施設です。
1996年開館の深沢紅子野の花美術館は、軽井沢に長く別荘を構えた洋画家・深沢紅子の原画を展示しています。四季折々の野の花を繊細に描いた作品は、静かで優しい自然の魅力を伝えてくれます。館は旧軽井沢の郵便局舎「明治四十四年館」(1911年建築)を移築して使用しており、2008年に登録有形文化財に指定されました。
フランスの画家レイモン・ペイネの作品を展示するペイネ美術館では、恋人たちの愛らしい世界観に触れることができます。建物はアントニン・レーモンドが設計した1933年のアトリエ「軽井沢・夏の家」を移築再生したもので、美術と建築が融合した空間です。
堀辰雄が愛した別荘「1412番山荘」は、彼の代表作『美しい村』にも登場します。後年は画家・深沢省三と紅子夫妻が使用した歴史ある山荘です。
1933年に建てられた書斎兼茶室は、法政大学村から移築されたもので、近代女性文学を代表する作家・野上弥生子の創作の場を偲ばせます。
1923年、有島武郎が編集者波多野秋子と心中した別荘として知られる「浄月庵」は、現在は喫茶店「一房の葡萄」として利用されています。戦時中には音楽家レオ・シロタ夫妻も疎開し滞在した歴史があります。
1931年にウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した睡鳩荘(すいきゅうそう)は、朝吹常吉とその娘・朝吹登水子の山荘として知られ、スタジオジブリの映画『思い出のマーニー』に登場する「湿っ地屋敷」のモデルにもなっています。2008年に移築、2017年に登録有形文化財に登録されました。
約200種1,800株ものバラが咲き誇る「イングリッシュローズ・ガーデン」は、塩沢湖の南側に広がる優雅な庭園です。花の香りに包まれながらの散策は、訪れる人々の心を和ませます。
ゴーカート、モノレール、ボート、ローボート、アーチェリー、ファミリーゴルフ、クライミングウォール、ちびっ子広場など、家族で楽しめるアクティビティが豊富に用意されています。塩沢湖にはアヒルやコイが放流され、ボート遊びも人気です。
園内にはレストラン「湖水」や「ソネット」(明治四十四年館1階)、BBQが楽しめる「山里野」、軽食の「軽井沢バーガーカンパニー」などがあります。自然の景観を眺めながらの食事は、リゾートのひとときをより豊かなものにしてくれます。
開園時間:9:00~17:00(冬季は10:00~16:00)休園日:年末年始、2月、その他 冬季入園料:無料(美術館・遊具は別途有料)
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉字塩沢217 アクセス:・しなの鉄道 中軽井沢駅よりバス15分「風越公園」下車、徒歩10分・北陸新幹線 軽井沢駅からしなの鉄道に乗り換え
近隣には「ムーゼの森」(軽井沢絵本の森美術館、エルツおもちゃ博物館)や、「風越公園」(スケートリンクや植物園)などの施設もあり、併せて訪れるのもおすすめです。
軽井沢タリアセンは、芸術・自然・レジャーを融合させた希少なリゾート施設であり、世代を問わず楽しめるスポットです。文学や美術に親しみたい方、家族で自然の中で遊びたい方、そして歴史的建築物に興味のある方にとって、まさに魅力あふれる場所です。軽井沢を訪れる際は、ぜひこの美しい文化空間を体感してみてください。